だからミニストップの「ハロハロ」は売れている、知られざる“実験力”:水曜インタビュー劇場(シャリシャリ公演)(2/6 ページ)
ミニストップの「ハロハロ」が売れている。1995年に発売したロングセラー商品で、今年は7種類も投入する。同社は過去最高の売り上げを狙っているが、どのような人が購入しているのか。また、どのようにして開発しているのか。その舞台裏に迫った。
ハロハロの特徴は「ハーモニー」
土肥: ハロハロの特徴といえば、なんといっても「ハーモニー」ですよね。24時間以上かけてゆっくり凍らせた「純氷」を使っている。なぜこの氷を使っているかというと、家庭の冷蔵庫でつくる氷よりも溶けにくいからなんですよね。しかも、不純物を取り除いていて、食感はシャリシャリしている。氷の上に、フルーツが入ったゼリー、わらびもち、みたらし団子などがトッピングされていて、てっぺんにソフトクリームがどーんとのっている。
1995年に発売したところ、すぐにばーんと売れた。その後、毎年期間限定で発売しているのですが、そもそもどういったきっかけで商品化されたのでしょうか?
山盛: ミニストップが創業したのは1980年。90年代に入ってからソフトクリームが徐々に売れていったのですが、そのソフトクリームを使って新しいデザートをつくることができないか、といった話になりました。いろいろ調査して、フィリピンにある「ハロハロ」というスイーツに注目しました。アイスクリーム、フルーツ、氷などが入っていて、現地のタガログ語で「まぜこぜ」を意味するんです。
下の写真を見ていただけますか。どちらもハロハロのラムネ味ですが、左は95年に発売したモノ、右は翌96年に発売したモノになります。
土肥: あれ、なにか違いますね。
山盛: 96年に発売したラムネをみると、下に氷が入っていて、その上に、ゼリー、ソフトクリームをトッピングしています。でも、最初に発売した95年のモノは違う。下にゼリーが入っていて、その上に、氷、ソフトクリームをトッピングしています。この形だと、まぜこぜにすることができません。お客さまからも「ひと口目にゼリーを食べたい」といった声が多かったので、翌年に変更しまして。その形がいまも続いているんです。
土肥: なるほど。過去のフレーバーをみていると、最初の年はラムネとイチゴだけ。その後、宇治金時、桃、巨峰などさまざまな種類が登場していますが、気になったことがひとつ。ラムネだけはずーっと発売していますよね。それはなぜ?
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