かつて「怪物」と呼ばれた松坂は、このまま「引退」するのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
右肩痛が原因で、ボールを投げることができない状況が続いている――。福岡ソフトバンクホークス、松坂大輔投手のことである。かつて「怪物」と呼ばれた男はこのまま引退してしまうのか、それとも現役を続行するのか。
松坂の置かれた立場
「大輔は引き際を見誤りましたね。結果論ではなく、理想は米国で現役を終えるべきだった。ニューヨーク・メッツでプレーした2014年のシーズン終了後、FAとなりましたが、あそこで引退したほうがキレイだったように思います。
その後、ソフトバンクから高額オファーを受けて日本復帰を果たしましたが、彼の中には『メジャーは無理でも日本ならば、何とかまだやれるんじゃないか』という感じでメジャーリーグより日本プロ野球を格下に見る向きが心のどこかにあったのではないでしょうか。
日本復帰後は右肩が万全でないこともあって、かつてのダイナミックなフォームが崩れて手投げ“”のようになってしまっている。いずれにしても、3年前に出した(日本復帰の)決断が今の結果につながっているわけですからね。ボロボロになってしまった今の大輔は見ていて悲しいです」
引退を決断するのか、それともあくまでも奇跡の復活を追い求め続けて現役続行の道を選ぶのか――。周辺で後者の支持率が急速に下がっている現状を考えれば、松坂の置かれた立場はますます悪くなっている。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
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