“時代遅れ”のデータ活用では生き残れない:顧客接点をデザインせよ(3/4 ページ)
テクノロジーの進展によって、あらゆる情報を収集・分析できるようになってきた。こうした中で、企業が競争に勝ち続けるためには「顧客接点をデザインする力」が求められている。
求められるのは顧客接点をデザインする力
――では、物理的に売るモノを持っているメーカーについてはどうでしょうか。
高部: メーカーの中では、B2C商材を扱うメーカーが特に積極的に取り組もうとしています。前述したようにデータの活用が生き残る上でより重要になっているからです。
B2Cメーカーのビジネスの多くは、小売店がエンドユーザーと接点を持っています。家電メーカーであれば、家電量販店との付き合いがメインですよね。つまり、エンドユーザーの情報は小売店側が握っているため、データを生かすことができないわけです。
しかしこれからは、他社との競争に打ち勝つためにも今まで以上にデータの活用が求められます。また、販売チャネルが不振に陥ったとき、販売チャネルごとメーカーも一緒に死滅してしまうリスクもあります。
ユーザーのデータを集めるために、専用アプリなどを通じてユーザーとの接点を持てる仕組みを作るなど、必死になっています。これは業種・業界問わず多くのメーカーが頭を悩ませていますね。こうしたユーザーとの接点をどのように作っていくか、その導線をデザインできる人材が求められるようになっていくでしょう。
――なるほど。これから必要なのは、ユーザーとの接点をデザインする力ですか。
高部: はい。例えば、単なるユーザー属性や購買履歴程度のデータだけでは、どんなモノを頻繁に買っているかくらいしか分かりません。ユーザー自身をきちんと理解できていないのです。これから大切になるのは、ユーザーの習慣や価値観を理解したレコメンドができるかどうかです。
「いつ」「どこで」「誰と」「どんな状況で」「何をした」――と、より複合的なデータを集めることでユーザーの習慣や価値観を理解でき、適切なタイミングで適切なサービスを届けられるようになります。
このように、ユーザーをより正確に理解するためには、ユーザーの日常をデータ化するための接点構築が必要ですし、他の周辺業者とのデータ連携も重要になってくるのではないでしょうか。
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