「人口減少」が続くが、解決策はあるのか:世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)
総務省統計局によると、日本の総人口は1億2558万3658人で、8年連続で減少している。また少子化も歯止めがかからず、出生数は98万1202人と過去最少を記録した。日本人がどんどん減っているが、解決策はあるのか。ひょっとしたら「テクノロジーのチカラ」が役立つかもしれない。
将来、移民の争奪戦が起きるかもしれない
そもそも将来的に、日本の人口はどれほど減っていくのか。国立社会保障・人口問題研究所が2017年4月に発表した推計によれば、日本の人口は2040年に1億1092万人となり、2053年にはついに1億人を割って、9924万人になる。そして2065年には8808万人になるという(参照リンク)。
もちろん日本は、人口問題研究所のこの調査よりずっと以前から、人口減の懸念を前にしてこれまでいろいろと対策を議論してきた。その一例として今もよく聞かれるのは移民政策だ。人口が減った分、外国から人を連れて来たらいいのではないかという賛否が分かれる対策だ。
ただ外国人労働者の数はすでに徐々に増えている。厚生労働省が2017年1月に発表した外国人雇用状況を見ると、2016年10月の時点で届け出のあった数だけで108万3769人。この数は史上最も多い数で、その背景には留学生の就職支援などがある。ただ移民については、反対意見も根強く、一筋縄ではいかない対策だということに加え、将来的にはアジア諸国でも人口減が起きるために移民の争奪戦というような状況になるとの見方もある。
それ以外では、出生率を上げるべきだという対策もよく耳にする。例えば、子どもを産んだ女性に年金を上乗せするといった現金給付のアイデアもあるようだが、ともすればカネで子どもを産ませようという対策にも受け取られるため、批判が出る可能性もある。
また人工中絶を減らすことで出生率を上げられるとの指摘もある。現在、中絶を減らすべく、いくつかの対策が議論されている。例えば養子縁組。2016年12月に特別養子縁組あっせん法が成立し、養子縁組のあっせんに補助金を出したり、あっせん業社についても、これまでのトラブルが報告されていた申請制から、許可制に変わった。2017年5月には、「赤ちゃんポスト」の開設から10年が経ったが、これまで10年で130人の子どもが預けられ、半数ほどが養子縁組されているという。
関連記事
- 実は怖い、インド便のトイレ
航空会社のトラブルが相次いでいる。男性が警察に引きずり出されたり、母親がベビーカーを奪われたり。いずれも米国の航空会社で起きたわけだが、客室乗務員によると「インド便で深刻な問題がある」という。どういうことかというと……。 - 中国政府がいま最も恐れているのは、ネット上の「くまのプーさん」
中国共産党がネット上の検閲に力を入れている。いわゆる「サイバーポリス」と呼ばれる工作員が反政府的な発言などをチェックしているが、2015年に最も削除された発言は……。 - 世界が販売禁止に乗り出す、“つぶつぶ入り洗顔料”の何が危険なのか
スクラブ製品が、世界的に注目されているのをご存じだろうか。私たちが何気なく使っているスクラブ洗顔料や歯磨き粉などの一部には、いわゆる「マイクロビーズ」と呼ばれるプラスチックの粒子が使われている。その粒子が……。 - なぜ「楽天」が世界中で叩かれているのか?
英語の社内公用語化など、グローバル企業への成長を目指して動き出した楽天。だが、本当に必要なのは「国際企業ごっこ」ではない。国際社会に対する社会的な貢献が求められる。 - 世界から「児童ポルノ帝国」と呼ばれるニッポン
衆議院で可決した「児童買春・ポルノ禁止法」改正案。日本では大きく報じられていないように見えるが、海外では大きな話題になっている。規制が強化された格好だが、海外メディアの反応は厳しい。その内容とは……?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.