問い合わせ対応から接客へ 広がるチャットボット:機能のポイントは?(2/2 ページ)
人工知能(AI)を活用して問い合わせ対応などを行うチャットボットサービスが増えている。いま、チャットボットサービスはどのように発展しているのか。
手軽にチャットボットを導入
日本ではチャットボットの導入企業はまだ多くないが、これから拡大していきそうだ。なぜなら、チャットボットによってユーザーからの問い合わせが増えて、満足度が上がり、コストも下がるかもしれないからだ。
電話やメールの問い合わせは時間や手間がかかるが、チャットという選択肢もあれば、問い合わせに対する心理的障壁は低くなる。対応する側もオペレーションしやすい。また、問い合わせの多くを占める「よくある質問」を自動対応にしたり、1人のオペレーターが複数客に対応したりできれば、コストメリットもある。
一方、チャットボットを導入するには、質問と回答の作成などに時間がかかるシステムも多い。手軽に導入したい、という要望に応えるサービスをNTTドコモが開発した。必要なキーワードをまとめた表形式のデータを準備するだけで、チャットボットを自動作成するサービスだ。作成と維持管理のコストを約50%削減できるという。
実証実験として、ABC Cooking Studio(ABCクッキングスタジオ)のチャットボットを作成。レシピを紹介するサービスとして、モニター会員向けにトライアル提供されている。レシピは約150種類あり、冷蔵庫にある食材などのキーワードを入力していくことで絞り込んでいく。
会話するように柔軟に対応するチャットボットではないが、「まずは導入してみたい、という要望に応える」(担当者)サービスだ。2017年度内の商用化を目指す。チャットボットの広がりによって、商品やサービス内容などに合わせて選べるサービスも増えているようだ。
関連記事
- 「変なホテル」総支配人が語る、完全無人化が不可能な理由
ロボット化を積極的に進める「変なホテル」。開業から2年経ったいま、どんなことが分かってきたのだろうか。「ロボットに任せられること」「人間にしかできないこと」は何か。変なホテルの総支配人に話を聞いた。 - このメガネ似合ってる? AIが判定するサービスとは
ジンズが提供する、人工知能(AI)が眼鏡の“お似合い度”を教えてくれるサービス「JINS BRAIN」。オンラインショップや実店舗でどのように活用されているのか。 - 日本生命、AIを活用した営業支援で実現したいことは?
全国約5万人の営業職員の提案力を高めて売り上げアップを図るため、さまざまな手段で支援してきた日本生命保険。このたびAIを導入して実現したいこととは? - 好みのお酒を提案 接客を支えるAIとは
伊勢丹新宿本店で実施している、AIが自分に合ったお酒をおすすめしてくれるサービス。店舗の接客サービスを高めるツールとして活用されている。 - 「営業」の仕事はAIでどう変わるのか
AIの普及によって営業の仕事が大きく変わろうとしている。10年後の社会においてセールスパーソンに求められる能力や評価基準は今とはまったく違ったものになっているはずだ。AI時代に営業のプロとして生き残っていくために必要なスキルとは……。 - ウォーリーをさがすように、「顧客」を見つけることができるのか
「自社製品を購入する人」を見つけてくれるサービスが、米国で広まりつつある。「LeadCrunch(リードクランチ)」という会社が提供する営業支援ツールだが、具体的にどのようなものなのか。導入企業の実績をみると……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.