若い人の会話で空回りする、典型的な4つの場面:おじさん世代の思いが伝わらない(2/4 ページ)
「いまの若い人と会話が通じない」といった悩みを抱えている上司や先輩も多いのでは。小さなころからスマートフォンと接してきた世代と、どのように向き合えばいいのか。
「とにかく行動量を増やせ」が通じない
営業を一例として、具体的にご紹介していきます。
すれ違い場面(1)「とにかく行動量を増やせ」が通じない
研修や講演を行うなかでさまざまな事例に触れていると、新入社員と向き合う上司や先輩がすれ違う場面がいくつか見えてきました。典型的なものを4つご紹介します。
1つ目は「とにかく行動量を増やせ!」と言ってもなかなか通じないこと。新入社員は、なぜ行動量が必要なのかすんなりと理解してくれません。「むやみに行動するのは取引先に迷惑をかけるだけでなく、考えることを放棄した怠惰な人間のすること」と考える人もいるほどです。
昔は会社の業績のため、もしくは給料を上げるために働くのは当たり前でした。しかし若い人の多くは子どものころからお金やモノに対する欲求は満たされているので、会社の成長やお金は働くことのモチベーションにつながりにくいのかもしれません。
そんな世代を納得させるためには「行動量を増やすことが、お客さまへの提供価値や自分の成長につながる」ということを、エピソードを交えて丁寧に伝えることが重要です。
私は新人時代、求人広告の営業として毎日50件程度訪問していました。9割以上は断わられていたのですが、やがて経営者が口をそろえて「どうせ若い人は来ない」と言っていることに気付きます。当時の求人広告は新聞が中心で、若い人からの応募は集まりませんでした。私が扱っていたのは若い読者が中心の情報誌。「社長、今若い人が見ているのは新聞ではなく情報誌です!」と言うと、身を乗り出して話を聞いてくれました。お客さまにぶつかる経験を重ね、そこからヒントを得た私はやがて、エリアや商品が変わっても勝ちパターンを見つけられるようになりました。
ここまで話せば若い人も「行動量が成長につながる」とハラオチします。物欲は低いかもしれませんが、成長意欲は高いので、モチベーションにもつながるわけです。
関連記事
- なぜ研修にチカラを入れている会社は、パッとしないのか
上司から「研修があるから受けてきてね」と言われたことがある人もいるはず。ビジネスシーンでよくある光景だが、グーグルで人材開発を担当してきたピョートルさんに言わせると、こうした会社は「イケていない可能性がある」という。なぜかというと……。 - スポーツ界で“オレ様”が減っている、なるほどな理由
結果を出す人と、出せない人にどのような違いがあるのか。オリンピック4大会に出場し、4つのメダルを獲得した、水泳の松田丈志さんに話を聞いたところ「周囲から応援される人は結果を出しやすい」という。どういう意味か。話を聞いたところ……。 - 「若者の○○離れ」という誤解
若者のクルマ離れ、CD離れ、ビール離れ、恋愛離れ……。私はこの「若者の○○離れ」という言い回しが嫌いである。 - 日本人が「通勤地獄」から抜け出せない、歴史的な背景
暑くなってきたので「満員電車」が辛くなってきた。「働き方改革を実現しよー」「時差出勤をしよー」と叫ばれているのに、なぜ“通勤地獄”は解消されないのか。その歴史をひも解いてみると、意外な事実が……。 - ビジネス界は「あれはオレがやりました」で溢れている
雑誌のインタビューに出てくる「俺がやりました」的な奴は、疑ってかかったほうが良い。期待するほどそいつは仕事していない。実際は、みんながそれなりに仕事をしているのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.