「がん」のセカンドオピニオン ネットで専門医に相談:まずは「乳がん」からスタート
エムスリーが、がんの治療方針や病院選びについて複数の医師の意見が聞ける「マルチオピニオンサービス」を開始。「セカンドオピニオン制度」の利用率が低い現状を踏まえ、患者がより納得できる治療を提供する狙い。
医療関連サービスのエムスリーは7月25日、がんの治療方針や病院選びについてインターネット上で複数の医師に相談できる「マルチオピニオンサービス」を開始すると発表した。まずは7月下旬にも同社情報サイト「医知恵 乳がん」上で、乳がん患者のみを対象に試験運用を実施し、その後胃がんや肺がんなど他のがん患者にもサービスの対象を広げる予定。
主治医以外の医師に検査結果や治療方針についての意見を聞く「セカンドオピニオン制度」の利用率が低い現状を踏まえ、近隣に受診可能な医療機関がない患者などに納得できる治療を提供する狙い。
患者が専用サイトから相談内容を投稿すると、専任スタッフが患者の不安や悩みを電話やメールでヒアリングし、医師への相談内容を決定。同社情報サイト「m3.com」に登録している25万人以上の医師会員から、相談への回答に適した3人の専門医を選定する。3人の医師は所属医療機関が異なっているため、偏りのない回答が得られるという。
専門医はスタッフから相談内容の共有を受けた後、2週間程度で回答をまとめたレポートを作成する。レポート完成後、スタッフが内容を患者にフィードバックする流れ。
価格は、専門医3人への相談料が7万円(税込)。おすすめの病院・医師の紹介料が2万円(同)。
ただ、同社は「このサービスは医学・医療情報の提供が目的であり、医療行為ではない。このことを十分認識した上でサービスを利用してほしい」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
市民アスリート集団が開発する健康サービスの“ホンキ度”
ヘルスケアサービスなどを提供する、ネオスという東証1部上場の会社がある。同社のサービスは利用者の気持ちを心底分かっていると人気だ。なぜなら開発メンバーの社員たち自身が市民アスリートとして同じような悩みや課題を経験しているからだ。
がん治療と仕事の両立支援 テルモが社内制度に導入
テルモが、社員のがん治療と仕事の両立を支援する社内制度を導入。休暇や勤務形態を充実させた。
「ベーコンやソーセージでがんになる」研究の伏線は20年前の「ホットドッグ戦争」
世界中のソーセージやベーコン愛好家たちの間に衝撃が走った。国際がん研究機関が、加工肉の摂取によってタバコやアスベストと同じレベルの発がん性があると公表したのだ。しかし、この問題の背景には、さまざまな思惑がからんでいて……。
メルカリ、「認可外保育園補助」新制度 保育料負担
メルカリが、人事制度「merci box」に「認可外保育園補助」制度を新たに追加すると発表。社員の子どもが認可保育園に入れず認可外保育園に入園する場合、保育料の差額を全額負担する。