上西、松居騒動になぜトランプが登場するのか:世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)
上西小百合議員のTwitter暴言と、松居一代氏の離婚問題騒動が盛り上がっている。興味深いのは、両ケースとも米国のトランプ大統領とからめた話が出ていることだ。なぜ大統領の名前が出てくるかというと……。
松居氏はトランプのSNS戦略を学んだ
一方、離婚騒動の松居一代氏のケースはどうか。松居氏は「SNS」の手法をトランプから学んだというようなことを言っているようだが、YouTubeやブログを駆使した松居氏のネット戦略は、確かにトランプの戦略にも通じるものがある。
松居氏発言によれば、離婚騒動の発端は、『週刊文春』の記者が一緒にハワイまで行って夫・船越英一郎の浮気調査などをしたのに、最終的には本人の意思に反して文春側が独自記事を掲載しようとしたことだった。松居氏は結果的に、ブログやYouTubeを使って、文春の発売日前に、文春にだまされたことや、自らの主張をネットにアップした。
このやり口は、トランプをほうふつさせる。トランプも大統領選当時からきちんとメディア対応をしても、スタジオなどで専門家たちがいつも自分を批判すると不満をもち、自分で発言内容を支配できるTwitterなどにどんどん依存度を高めていく。就任後も依存度は高まり、2017年1月20日の大統領就任から半年で、991回もツイートしている。一方で、大統領としてメディアの前に立ち、単独で記者会見を行ったのはたったの1度だけである。
トランプはツイートで自らの主張を表明することで、メディアというフィルターを回避している。記者会見を行えば、その場で嘘や間違いは指摘されてしまうし、メディアを介することで編集され、一番主張したいことが削られたり、結果的に発言を誤解されてしまうこともある。それゆえに、トランプは記者会見を極力行わずに、ツイートで支持者固めのためのツイートを続けている。
「週刊文春に騙された」と言っている松居氏も同じ感覚でいるのだろうか。大統領選でトランプの勝利はSNS(主にTwitter)にあったと見ており、そこからSNSの戦略を学んだと発言している。だからこそ、文春の一件から、発言は常にYouTubeで一方的に行っている。言いたいことだけを主張して、誰からの質問も受け付けないまま言い分を垂れ流す。そして自分を理解してくれる「支持者」(松居氏は「家族」と読んでいるようだが、閲覧者のこと)にのみ、語りかけるというスタイルだ。
関連記事
- だから世界的に「メディア不信」が広がっている
日本のネット界隈で「マスゴミ」という言葉がすっかり定着した。さまざまな調査結果をみると、既存メディアへの信頼度が低下しているようだが、海外メディアはどうなのか。日本と同じように……。 - 実は怖い、インド便のトイレ
航空会社のトラブルが相次いでいる。男性が警察に引きずり出されたり、母親がベビーカーを奪われたり。いずれも米国の航空会社で起きたわけだが、客室乗務員によると「インド便で深刻な問題がある」という。どういうことかというと……。 - なぜ日本のおじさんは怒ると「責任者を呼べ!」と騒ぐのか
街中を歩いていて、おじさんが「責任者を出せ!」と騒いでいるのを聞いたことはないだろうか。例えば、駅員に大声を出したり、コンビニの店員を叱ったり、とにかく日本のおじさんはよく怒っている。なぜおじさんは「責任者を呼べ!」と叫ぶのか、その背景を調べてみると……。 - 中国政府がいま最も恐れているのは、ネット上の「くまのプーさん」
中国共産党がネット上の検閲に力を入れている。いわゆる「サイバーポリス」と呼ばれる工作員が反政府的な発言などをチェックしているが、2015年に最も削除された発言は……。 - 世界が販売禁止に乗り出す、“つぶつぶ入り洗顔料”の何が危険なのか
スクラブ製品が、世界的に注目されているのをご存じだろうか。私たちが何気なく使っているスクラブ洗顔料や歯磨き粉などの一部には、いわゆる「マイクロビーズ」と呼ばれるプラスチックの粒子が使われている。その粒子が……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.