KDDIがIoT(モノのインターネット)向けの通信サービスを手掛けるベンチャー企業のソラコム(東京都世田谷区)を買収すると、一部報道機関が8月2日報じた。
日本経済新聞の報道によると、買収金額は約200億円。
ソラコムは2014年創業。15年からNTTドコモの回線を使用したデータ通信サービスの提供を開始した。現在は、IoT向けデータ通信サービス「SORACOM Air」のほか、IoTデバイス経由でデータを収集するサービス「SORACOM Harvest」など多岐にわたるサービスを展開している。
日経新聞によると、ソラコムの顧客企業はコマツ、コニカミノルタ、日本交通など大企業を含む計約7000社に上り、欧米など海外にも約800社の顧客を持つという。KDDIはソラコムの買収により、大規模な顧客基盤を取り込む狙いがあるとしている。
KDDIがIoT関連事業に本格進出したのは16年。同年6月からトヨタ自動車と協業し、コネクテッドカー用の通信プラットフォームの開発を始めた。ソラコムとは同年12月に法人向けIoTサービスを共同開発するなど協力関係にあった。
KDDIがソラコム買収を正式発表
8月2日午後3時、KDDIはソラコム買収を正式発表した。株式の過半数を取得し、連結子会社とする予定。
買収の理由は、「KDDIのIoTビジネス基盤とソラコムの通信プラットフォームの連携により、国内外に通じるIoTプラットフォームの構築を強力に推進するため」としている。
KDDIは今後、さらなるIoTの普及に向け、セルラー系IoTデバイスの通信技術「セルラーLPWA」や第5世代移動体通信技術(5G)の開発、顧客ニーズに応じたIoTソリューションの提供など、IoTビジネス基盤の整備を積極的に進めていくという。
【更新:2017年8月2日午後3時40分 KDDIの発表内容に基づき追記しました。】
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