森永製菓「マクロビ派」 おいしさ追求で壊した“壁”:味を変えたリニューアル(1/4 ページ)
森永製菓「マクロビ派ビスケット」のリニューアルを担当した波多江寛子さんは、定着していた商品の「味を変える」ことに挑んだ。波多江さんが乗り越えた壁とは……。
知らないうちに、心に“見えない壁”を作っている。ありがちなことだが、新しい商品やサービスを生み出すためには、それを壊す必要があるだろう。森永製菓菓子食品マーケティング部の波多江寛子さんは、3月にリニューアルした「マクロビ派ビスケット」を担当。定着していた商品の「味を変える」ことに挑んだ。波多江さんが乗り越えた壁とは何だろうか。
ターゲットを広げることが課題
マクロビ派ビスケットは、バターやマーガリン、白砂糖を使用せず、植物性原料だけを使ったビスケット商品。穀物や野菜中心の食事で健康的な生活を目指す考え方「マクロビオティック」を参考にしている。2014年4月に発売した。「カロリーメイト」や「SOYJOY(ソイジョイ)」など、強力な商品がひしめく市場に、森永製菓として初参入した商品だ。
波多江さんは、新卒入社後3年間営業を担当。14年4月に菓子食品マーケティング部に異動し、「新カテゴリー」の担当になった。新カテゴリー担当は、「チョコレート」や「アイスクリーム」などのジャンル別の担当ではなく、新市場を開拓する商品を生み出していく役割。大学時代にマーケティングを学んでいたが、「勉強したこととは全く違う」仕事に戸惑いもあったという。
そんな波多江さんが取り組んだのが、マクロビ派ビスケットのリニューアル。リニューアル前は、店舗での売れ行きは良かったが、取り扱い店舗数は多くなかった。商品を置いている店舗では、20代後半〜30代の働く女性を中心に「一部の人が熱心に買ってくれている」状態。それでも売り上げは悪くなかったが、成長は頭打ちになる。店舗での取り扱い率を上げ、ターゲット層を広げることが課題だった。
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