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失敗しない社内カフェへ 実体験から生まれた提案:オフィスから考えるワークスタイル変革(3/4 ページ)
オフィス家具メーカーのプラスが提案しているカフェスペース「5 TSUBO CAFE」。その提案が生まれた背景には、失敗を重ねながらオフィス改革とコミュニケーション活性化に取り組んだ自社の経験があった。
活用ノウハウも提供
5 TSUBO CAFEを人が集まる場所にするには何が必要か。明らかにするため、自社のカフェスペースにビデオカメラを設置し、人が集まるタイミングを定点観測した。その結果、コーヒー豆をひいたり、雑誌を読んだりして、カフェスペースに滞在する理由があれば、会話が生まれやすいことが分かった。そこで、5 TSUBO CAFEには、思わず足を止めるような情報を表示するデジタルサイネージをセットにした。
情報を表示するアプリは2種類。1つは「今日は何の日」という情報をランダムに表示していき、世代間の会話のきっかけを作る。もう1つは、電子掲示板のように社員が情報を流すことができるアプリ。「おすすめの旅行先」など、気軽な情報交換を促す。
それでも、継続的に活用していくには、各企業の工夫が必要だ。初めは珍しくても、慣れてくると新鮮味がなくなる。そこで、運用をサポートするため、導入企業向けの季刊誌を発行。5 TSUBO CAFEの活用事例を詳しく紹介するほか、季節に合わせた雑談ネタを掲載している。
総務担当者の「他社の事例を知りたい」「使い方のアイデアがほしい」というニーズに応えるだけでなく、プラスにとっては、5 TSUBO CAFEの新規営業にも活用できる情報となっている。岡本氏は「設備だけなら、他社との差別化は難しい。ソフトの部分を提案することで、プラスらしいビジネスにしている」と狙いを話す。
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