政府は「女性の活躍」を成長戦略の重要政策に位置付けているが、日本企業は女性の登用をどの程度進めているのだろうか――帝国データバンクの調査によると、7月の時点で「社内の女性人材の活用、登用を進めている」と答えた企業は43.0%だった。
「社外からも女性人材を活用・登用している」は12.7%、「女性人材の活用・登用を進めていない」は35.8%だった。
女性人材の活用に取り組んでいる企業に効果を聞いたところ、「有能な人材を生かすことができた」(69.1%)、「女性の労働観が変化してきた」(29.5%)、「業務が円滑に進んだ」(25.5%)などの声が多かった。
ただ、女性社員が全体に占める割合を役職別にみると、一般社員では前年比0.4ポイント増の24.2%、管理職(課長職以上)では0.3ポイント増の6.9%、社長・役員では0.6ポイント増の9.3%と微増にとどまっていた。
女性社長・管理職が最も多かった業種は「繊維・服飾品小売」で、34.0%を占めた。当該企業からは「事業の性格上、女性を積極的に登用している」「女性向けの雑貨を製造しているので、女性人材が求められている」などの意見がみられた。
今後女性がさらに活躍するために、社会全体として取り組むべきことは「保育・幼児教育などの量的・質的向上」が58.8%でトップ。「待機児童の解消」(51.7%)、「1人親家庭への支援」(45.7%)などが上位を占めた。
大企業を中心に「長時間労働の是正」「男性の育休取得」と答える人も多く、帝国データバンクは「男女問わず、仕事と生活の調和がとれた働き方の見直しを求めている様子がうかがえる。子育て世帯の女性がより働きやすい環境を整備することが、女性登用の広がりと持続的な企業の成長につながるだろう」とみている。
調査は7月18〜31日にかけて実施し、1万93社から有効回答があった。
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