欧米政治家に学ぶ、ビジネスパーソンに「化粧」が必要なワケ:世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)
エマニュエル・マクロンがフランスの大統領に就任して3カ月以上が経過した。政界に新しい風を吹き込むと期待されたが、自分のメイクのために340万円ほどを使っていたことが判明し、支持率が急落。若い男性の間でもメイクをしている人が増えているような気がするが、広く普及する可能性はあるのか。
世界各地で男性の化粧品市場が拡大
政治家がメイクをすることで有権者にいいイメージを与えられると言うのなら、一般のビジネスパーソンだってメイクしたほうがビジネスで好印象を与えられるのではないか。何もビジュアル系のミュージシャンばりのメイクをする必要はないが、ビジネスでいい印象を与えられるならやってみる価値はあるのかもしれない。オフィスにいる同僚女性だってやっていることである。
実は今、世界各地で男性の化粧品市場が拡大している。英フィナンシャル・タイムズによれば、2016年に男性化粧品市場は500億ドル規模になっている。市場調査会社の米アライド・マーケット・リサーチによれば、男性化粧品の市場は2022年までに1660億ドルになると見られている。また世界でも男性化粧品が普及しているとして知られるブラジルでも、過去数年にわたって年間16%の成長率を見せている。
英テレグラフ紙は、化粧品メーカーであるロレアルの英国法人社長ビスメイ・シャーマ氏に取材。シャーマ氏は男性化粧品の市場はこれからさらに拡大すると見込んでおり、今後5年くらいにはデパートの化粧品コーナーに男性専用のブースができるだろうと豪語している。
過去にもメーカーなどが男性化粧品を売り出してきたが、正直、男性メイクが普及したとは言い難い。ではなぜ、今再び注目されているのか。その理由は、スマホやSNSの普及と、自撮り(セルフィー)だ。最近では以前よりも自らの写真を撮影する機会も、他人に見せる機会も増えた。日本なら、カフェやレストランにも「インスタ映え」するという理由で人が集まる時代である。歴史的に見ても、自分の見た目に自意識が芽生えている人がこれまでになく多くなっている時代だと言えるのかもしれない。もし男性メイクが広がりを見せるとすれば今の時代しかないのではないか、とすら思える。
そして現在、そうしたニーズに応えるべく、いくつもの化粧品メーカーが、目の下のクマを隠したり、シミを目立たなくできるコンシーラーなど化粧品の販売を始めている。
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