欧米政治家に学ぶ、ビジネスパーソンに「化粧」が必要なワケ:世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)
エマニュエル・マクロンがフランスの大統領に就任して3カ月以上が経過した。政界に新しい風を吹き込むと期待されたが、自分のメイクのために340万円ほどを使っていたことが判明し、支持率が急落。若い男性の間でもメイクをしている人が増えているような気がするが、広く普及する可能性はあるのか。
政治家がメイクをするのは意外でない
国際ジャーナリストという立場から、男性のメイクと言うとまず思い浮かぶのが米国の第35代大統領、ジョン・F・ケネディである。1960年の大統領選で行われた史上初のテレビ討論会で、ケネディ上院議員はロバート・ニクソン副大統領と対峙(たいじ)したが、ケネディはテレビ映りを気にしてメイクをしていた。一方のニクソンは見た目をあまり気にしなかったため、両者の印象の差は歴然で、好印象を与えたケネディへの支持が急増したと語り草になっている。
そして現在のドナルド・トランプ大統領も、オレンジ色に見えるメイク(だと見られている)をしており、コメディ番組などで散々バカにされている。英国のトニー・ブレア元首相は、テレビに出演する時はもちろんのこと、そうでない時にもメイクをしていた。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相も、2016年のニューヨーク訪問時に、メイクに1750ドルをかけ、ヘアスタイルに1600ドルを使っていたことが判明して物議になった。
とにかく、今回のマクロンのケースといい、政治家がメイクをするのは意外でも何でもない。イメージが非常に重要な政治家にとって、清潔感があり健康そうで若々しいイメージを保つことは大事である。事実、メイクはしないよりもしたほうが見栄えはいい。テレビなどで出演者が目の下のクマを隠したり、シワやシミを目立たなくすることで若く見せることができているのも、メイクのおかげだと言っていい。またメイク費が高額なのも、いろいろなケースを見る限り、仕方がないのかもしれないとも思えてくる。
そもそも女性がメイクをするのも、見栄えを良くするために他ならない。筆者に女性と男性を性別で区別する意図はないが、パーティーなどで女性がメイクをすることが、もはや礼儀のようになっているのは客観的な事実である。男性がスーツを着るのと同じと言っていい。
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