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売りまくる営業組織の作り方成長企業が語る(2/3 ページ)

今や営業に求められる要素は複雑化、高度化していて、いくら有能な営業マンであっても一人で自社の売り上げの大半を稼ぐのはほぼ不可能だ。そこで重要なのが営業組織全体の底上げである。好業績を続けるオープンハウスなどの取り組みを紹介する。

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いかに営業にやる気を持たせるか

 ただし、いくら営業の仕組みが優れていても、実際に行動する担当者のやる気がなくてはならない。オープンハウスでは、こうした仕組みづくり以上に、営業メンバーのモチベーションの後押しに力を入れている。「不動産のような高単価な商品を提案する場合、顧客との接触量がモノを言います。電話や訪問などの行動量を増やすには、何より営業メンバーのモチベーションが重要です」と矢頭氏も力強く説明する。

 オープンハウスでは、全社を挙げて営業メンバーのモチベーションを後押ししている。四半期に1度の表彰式では、必ず全社員が一堂に会する。その中で、高い成績を収めた営業社員は、全社員からの賞賛とともにどんどん昇進させる。適性に合わせて新たな機会も積極的に与えていく。情報システム部門や財務部門など、非営業の各部門に、営業出身のメンバーが必ず所属しているのも同社の特長だろう。役員にも、営業部出身が多くを占める。オープンハウスでは、とにかく営業が花形なのだ。

 営業部内でのセルフ・モチベートには、さらに力を入れる。挨拶1つをとっても、部活動のようにとにかく声を出すことを大切にしているという。テンションを上げて、前向きに仕事をすることがオープンハウスの文化なのだ。こうした文化を浸透させるために、目標設定は月次ではなく、週次で行っている。案内数などの行動量に至っては日時で管理する。「やることを明確にし、仕事をやりきる力をつけるように徹底しています」と矢頭氏。

 さらに、こうした営業部の文化を浸透させるために、経営トップである荒井正昭社長もコミットする。“不動産業界における日本一”を目指し、そのために必要な毎年2〜3割の成長という目標を掲げるオープンハウス。「こうした明確な高い目標を掲げ、それに向かって社長が先頭に立ち引っ張るというカルチャーがオープンハウスの強みなのです」と矢頭氏は力を込める。

 さらに、「とにかく現場主義で、各事業部のマネジャー会議に出席して状況を把握しています。1人1人と面談するなど、何より社員を大事にしています」と矢頭氏が説明するように、トップの存在を介して明確化された営業マインドは、トップのコミットメントにより組織全体に拡散されている。それこそが、オープンハウスの強さだ。

 こうして培われてきた「モチベーション高く、目標達成向けて徹底的にやりきる」という“オープンハウスマインド”を、いかに営業部の末端まで浸透させるか、それが営業力強化の鍵になるのです」と矢頭氏は締めくくった。

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