LINEの1〜9月期、売上高17.4%増 広告事業が好調:海外MAUは減少
LINEの17年1〜9月期は、売上高が前年同期比17.4%増の1212億3300万円。広告事業の好調が寄与した。
LINEの広告事業が好調だ。国内の安定したユーザー基盤と、ターゲットの属性に応じた広告を配信できるプラットフォーム「LINE Ads Platform」を生かし、売上高の増加に大きく貢献した。
10月25日発表した2017年1〜9月期の連結決算は、売上高が前年同期比17.4%増の1212億3300万円、営業利益が33.8%増の244億7900万円。
広告事業の売上高は39.7%増の544億7500万円と大きく伸びた。LINE公式アカウントによるメッセンジャー型広告に加え、MAU(月間アクティブユーザー数)が6000万人と堅調なニュース配信サービス「LINE NEWS」向けのパフォーマンス型広告が大きく伸びた。
LINEの出澤剛社長は「世代や性別にとどまらず、より個々のユーザーの属性にフォーカスした精度の高いターゲティング広告を展開できたことが大きい」と説明する。
コミュニケーション・コンテンツ事業の売上高は3.8%増の667億5800万円。コミュニケーションアプリ「LINE」の「クリエイターズ着せ替え」が堅調に推移したほか、「クリエイターズスタンプ」の審査期間を短縮して商材を充実させたことなどが収益増に寄与した。
純利益は2.2倍の120億7400万円。前年同期に計上した、海外で展開していたラジオ型音楽配信サービス「MixRadio」の事業撤退に伴う損益が大幅に縮小したことが純利益増につながった。
海外MAUは苦戦
LINEの2017年9月末現在のMAUは1億6800万人で、年度開始時点(17年1月)から約300万人減少した。国内のMAUは7100万人を突破するなど好調だが、タイ・台湾・インドネシアでは9カ月間で約600万人減少していた。
17年1〜12月期通期の業績予想は開示していない。「スマートフォンなどのモバイルアプリケーション市場は国内外で急激に変化しているため、不確実性が存在している。当社グループの業績も大きな影響を受ける状況にあり、精緻な業績予想を策定することは困難」と説明している。
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