北朝鮮の「生物兵器」は、どれほどの脅威なのか:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
北朝鮮が所有しているともいわれている「生物兵器」が、世界で改めてクローズアップされている。北朝鮮はどういった生物兵器を持っているのか。また、どのような脅威があるのか。改めて、見ると……。
10月22日、総選挙が実施されて、自民党が圧勝した。
選挙前には、解散の大義として北朝鮮の核・ミサイル開発が改めて取りざたされていた。ただそれが600億円と言われる税金を使った解散総選挙の理由になるのかどうかはいまだによく分からないが、少なくとも北朝鮮が核開発やミサイル実験を繰り返し、水爆実験まで成功させたとして、世界が不安を抱いているのは確かだ。またそれ以外にも潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発や、サイバー攻撃もこれまで以上に活発に実施している。
そして今、北朝鮮が所有しているとされる別の「兵器」の存在が、世界的に改めてクローズアップされている。
生物兵器である。
2017年10月、ハーバード大学ケネディ行政大学院の研究機関であるベルファーセンターが、北朝鮮の生物兵器開発についての研究を発表し、話題になった。ベルファーセンターは大学が設置するいわゆる「大学系シンクタンク」であり、閣僚経験者や元軍幹部、元情報機関幹部などが在籍するほか、世界各地から研究者などを集め、日々研究を重ねている研究機関だ。筆者も在米中からベルファーセンターにはセミナーや授業などでお世話になり、何度も足を運んでいる。
もちろん北朝鮮の生物兵器の存在は以前から議論されてきた。だがベルファーセンターが分析を発表したというだけで、37ページからなるこのリポートは注目されている。そこで、これまで以上に北朝鮮の脅威が高まっている今、このリポートやそのほかの情報などから、改めて北朝鮮の生物兵器がどれほどの脅威なのか見ていきたい。
関連記事
- ボイコット危機の平昌五輪で韓国が恐れる本当の“敵”とは
2018年2月に韓国で開催される平昌五輪に不参加国が出る可能性が報じられた。深刻化する北朝鮮情勢が大きな懸念となっているが、五輪を巡る問題はそれだけではない。 - 核シェルターが売れているのに、なぜ業者は憂うつなのか
北朝鮮が6度目の核実験を実施した。自分の身を守るために「核シェルター」の販売数が伸びているそうだが、業者からは困惑の声も。どういうことかというと……。 - 北朝鮮が攻撃できない、米国も攻撃できない背景
北朝鮮が攻撃してくるかもしれない――。何度もミサイル実験を繰り返されると、多くの人がこのような不安を感じるかもしれない。では、米国政府はミサイル問題をどのようにとらえているのか。実は……。 - 実は怖い、インド便のトイレ
航空会社のトラブルが相次いでいる。男性が警察に引きずり出されたり、母親がベビーカーを奪われたり。いずれも米国の航空会社で起きたわけだが、客室乗務員によると「インド便で深刻な問題がある」という。どういうことかというと……。 - 金正男だけでない!? 殺人工作のリアル
金正日総書記の長男である金正男が、女性2人に襲われて暗殺される事件があった。この事件は大きく報じられているが、実は世界を見渡せば、国家が絡んでいるとされる秘密工作は少なくない。例えば……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.