DeNAラミレス監督の采配力と人心掌握術に感動:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
横浜DeNAベイスターズが広島東洋カープを下し、19年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。ベイスターズのアレックス・ラミレス監督の采配は恐ろしいほどにさえ渡り、短期決戦の戦い方は「こうあるべき」という手本を示したわけだが、その裏でどのようなことが行われてきたのか。ラミレス監督の采配力と人心掌握術に迫った。
ラミレス監督はウイークポイントを突いた
個人的に言えば、CSそのものの開催は今も反対だ。リーグ優勝のチームがいくらアドバンテージを与えられたとしても2位、3位の勝者と日本シリーズ進出を目指して戦わなければならないシステムにはやっぱりピンとこない。そしてタイトな日程面でやり繰りしなければならない点もかなり無理がある。今年は甲子園で行われたセ・リーグのCSファーストステージで阪神タイガースとベイスターズの試合が激しい降雨の中で9回まで強行された(関連記事)。
ラミレス監督率いるベイスターズは今年のCS突破で下克上の日本シリーズ進出を決め、これらの「?」を再考する機会を世に与えるための一石を投じた格好となった。敵地での“泥試合”もクリアし、さらにその勢いで完全アウェーのマツダスタジアムで相手に1勝が与えられているハンデをものともせずに飲み込んだ。
本拠地を離れる「死のロード」の中、計7試合を戦って絶対不利な状況を覆した。きっと下馬評では大半の人が「さすがに3位のチームなのだから、2位の阪神、そして独走優勝したカープを相手に勝ち上がれるわけがないだろう」と思っていたはずが、それをあざ笑うかのようにベイスターズは日本一を争うための権利を手中に収めてしまったのである。これは、もう見事というほかにない。
確かにベイスターズはレギュラーシーズンにおいてカープに14.5ゲーム差と大きく引き離されていた。しかしながら彼らは日本野球機構(NPB)が決めたルールのもとで勝ち上がったのだから誰も文句など言えない。たとえレギュラーシーズンで優勝を逃して3位に沈んでも、こうやって逆転日本一を狙うことが可能になる――。制度のウイークポイントの突き方をラミレス監督率いるベイスターズは身をもって示したのだ。
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