NTTドコモ、上半期は営業減益 顧客優遇策が痛手に:「with」機種の補償は値下げ検討も(2/2 ページ)
NTTドコモが2017年4〜9月期の連結決算を発表。シンプルプランやdocomo withなどの顧客優遇策の影響で増収減益となった。
主な質疑応答
――「iPhone 8」の発売と同時に、大手キャリア(携帯事業者)の端末代金や料金プランの横並びが崩れてきたように見受けられる。今後の競争についてどうお考えか。
吉澤社長: 確かに、キャリアのうち1社が新プランや端末を発表すると、残る2社が追随する流れがあったことは否めない。だが、今後は当社の特徴を出していく。
当社は「家族」を重視しているため、ドコモ光と端末のセットプランを多めに打ち出すなど、ターゲットとする顧客のニーズにマッチしたサービスを提供していきたい。
端末代金については、顧客の声を聞きながら対応していく。仮に最後に同じ料金になっても横並びと言わないでほしい。
――契約者純増数の目標を年度当初の220万から130万に引き下げたが、その理由は何か。
吉澤社長: インフラ企業に導入しているスマートメーターの需要が一巡したことなどが挙げられる。当社のブランド力に変化があったわけではない。
――KDDI(au)の「ピタットプラン」「フラットプラン」の契約者数が10月14日付で200万件を突破した。ドコモへの影響はあるのか。
吉澤社長: 当社のユーザーがKDDIに流れているとは考えていない。auユーザーのプラン変更が進んでいるとみている。
――9月に楽天が「FREETEL」を買収したが、MVNOの動向についてどうお考えか。
吉澤社長: コメントできる立場にない。ただ、キャリアと同様、今後はMVNOも特徴がうまく出せる企業が発展するだろう。
――KDDIはMVNOを手掛けるビッグローブやIoT(モノのインターネット)ベンチャーのソラコムを買収するなどM&Aに注力しているが、ドコモの方針は。
吉澤社長: 当社がMVNOを傘下に持つ予定や、新たにMVNOを始める予定は全くない。他社にドコモ回線を使っていただければ十分だ。ただし、IoTプラットフォームの充実には興味を持っているので、IoT関連の企業と資本提携する可能性はある。
――先日発表した2画面スマホ「M」は海外展開を行う予定とのことだが、他事業の海外展開を進める予定はあるのか。
吉澤社長: 5G(第5世代移動通信システム)が実用化を迎えた場合、(車両やロボットなどを)遠隔制御するソリューションを海外展開することを検討中だが、明確に決まったわけではない。
関連記事
- 「ユーザーの予想超える」ドコモ、復活の2画面スマホ「M」など発表
NTTドコモが、2017〜18年冬春モデル発表会を開催。4年ぶりとなる“2画面スマホ”の「M Zー01K」や、長期契約者向けの新たな優遇策などを発表した。 - 激戦の「音声対話」、ドコモが進める独自戦略とは
NTTドコモは2017〜18年冬春モデル発表会で、他社製のスマートスピーカーを現時点では取り扱わない方針を明らかにした。今後は独自の音声対話技術「AIエージェント」の開発と実用化を段階的に進める方針という。 - ドコモ、新中期計画発表 「5G」生かして事業を変革
NTTドコモが、2017〜20年度の中期計画「beyond宣言」を発表。新たな通信技術「5G」を活用したサービス開発を進めるという。 - NTTドコモ、世界初の「スマホ花火大会」開催 渋谷駅で
NTTドコモが東京・渋谷駅で「スマホ花火大会」を開催。黒地のポスターをフラッシュ撮影すると、特殊印刷された花火の様子がカメラに表示される。「“撮っておきの思い出づくり”を応援する」という。 - 発売近づく「iPhone X」、大手キャリアの端末代金は?
KDDIが米Appleの新型スマートフォン「iPhone X(テン)」の端末代金を発表し、3大キャリア(携帯事業者)が出そろった。各社にはどのような違いがあるのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.