ソフトバンク、上半期は営業益35%増 統合破談のSprintが好調:NVIDIA株上昇のファンドも貢献(2/3 ページ)
ソフトバンクグループが2017年4〜9月期の連結決算を発表。米T-Mobile USとの統合が破談に終わった米携帯子会社Sprintが好調だった。米NVIDIA株が上昇した影響で「Softbank Vision Fund」も大きく貢献した。
米Uberとの交渉は「どうなるか分からない」
SVFの営業利益は1862億円(前年同期は計上なし)。保有する米半導体会社NVIDIAの株式が上昇し、多額の評価益を得た影響が大きかった。
孫社長は「SVFは半年間で約20社もの企業に投資した。投資額は1社当たり約1000億円と高額だ。これほどの規模のファンドは他にはないだろう」と自信を見せる。
ただ、米配車サービス大手のUberとの交渉については、「前向きに検討しているが、本当に投資するかは最後まで分からない。現在は条件面を交渉中だ。取締役の人数や議決権、投資のプロセスについても最終の詰めを行っている」と説明。
「Uberの競合である米Lyftに投資先を変更することも十分にあり得る。どうなるかはぎりぎりまで分からない」とした。
通信事業は減収減益
一方、国内通信事業の売上高は1.6%減の1兆5290億円、営業利益は6.9%減の4340億円に落ち込んだ。新型iPhoneユーザー向けの割引プラン「半額サポート for iPhone」や、ヘビーユーザー向けの大容量定額プラン「ウルトラギガモンスター」などの顧客獲得施策を相次いで展開した影響で、多額の支出を計上したため。
孫社長は「顧客は順調に獲得できている。来年には顧客からの収入が支出を超え、国内通信事業も増収増益になると考えている」と説明。
「施策がうまくいった場合は私をほめてほしいが、失敗した場合は宮内(ソフトバンクの宮内謙社長)を叱ってほしい」と笑った。
これまで主力としていた通信事業に陰りが見えてきた印象も受けるが、孫社長は「私は、当社の本業が通信事業だと感じたことは一度もない。コアの事業であることは間違いないが、当社の本業は情報革命を行うことだ。急成長中のSprintやSVFなどの事業群と合わせ、情報革命を実現したい」と強気な姿勢を見せた。
関連記事
- KDDI、上半期は増収増益 「ピタットプラン」など好調で
KDDIの2017年4〜9月期の連結決算は増収増益だった。「auピタットプラン」「auフラットプラン」の契約者が大幅に増え、通信料収入が増加したことなどが寄与した。 - NTTドコモ、上半期は営業減益 顧客優遇策が痛手に
NTTドコモが2017年4〜9月期の連結決算を発表。シンプルプランやdocomo withなどの顧客優遇策の影響で増収減益となった。 - ソフトバンク、Sprint株を追加取得 統合交渉破談で
ソフトバンクグループが、米子会社Sprintの株式を追加取得すると発表した。米携帯市場3位の米T-Mobile USとの統合交渉が破談に終わったことを受け、Sprintへのサポートをさらに強化する狙い。 - ソフトバンクの1Q、大規模ファンドと復活のSprintが好調
ソフトバンクグループの2018年3月期 第1四半期(17年3〜6月)の連結決算は、売上高・営業利益がともに前年同期比を上回ったものの、中国Alibaba株のデリバティブ取引関連で巨額の損失を計上。純利益は98%減となった。 - ソフトバンク、「Vision Fund」第2弾を設立へ
ソフトバンクグループが、10兆円規模のファンド「SoftBank Vision Fund」の第2弾を設立する構想を明らかにした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.