介護離職を考えたことがある管理職は47.5%――人材サービスのアデコの調査でこんな結果が出た。
理由は、「体力・精神的な負担や不安」(20.7%)が最も多く、次いで「要介護度の変化、介護を優先したい」(18.2%)、「仕事・職場への影響」(16.8%)――と続いた。
介護を理由に会社を休んだ経験がある管理職は67.0%で、休む際に使用した制度は「有給休暇」(88.1%)が最も多かった。一方、「介護休暇」は15.9%、「介護休業」は2.7%にとどまった。
「介護休暇は無給であることが多く、また、介護休業は雇用保険から給付金を受け取ることができるものの、事前に申請手続きが必要になる。これらを踏まえ、まずは有給休暇の消化を優先し、介護休暇・休業の取得を控える傾向にある」(同社)ようだ。
介護に関する休暇制度を使用しづらいと思う管理職は63.2%。理由には「自身の業務に支障が出るため」(73.1%)、「部下の業務に支障が出るため」(54.1%)、「管理職で、介護を理由に休みを取る人がいないため」(37.7%)などが多く挙がった。
10月にネットを使って調査し、企業で管理職に就いている600人が回答した。
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