話題の「麺をすする音」打ち消すフォーク 日清食品が語る、その狙い:意外と予約数はピンチ(4/4 ページ)
日清食品が10月末に発表した、麺をすする音をカムフラージュするフォーク「音彦」。麺をすする音が外国人を不快にする「ヌードルハラスメント(ヌーハラ)」を解消できるというコンセプトが話題を呼んだ。日清食品に開発の経緯を聞いた。
クラウドファンディングの予約は意外とピンチ
――音彦のクラウドファンディングの予約は、現時点でどの程度進んでいるのでしょうか?
渡邉さん: 目標は5000件なのですが、現時点(取材を行った11月7日現在)では203件です。12月15日までに目標数に達しなければ、残念ながら商品化はキャンセルになってしまいます。
――先ほど「音彦をきっかけとして、ECサイトの認知度拡大につなげたい」とのお話がありました。音彦のクラウドファンディングが目標に達しなかったとしても、ECサイトのアクセス数が増えれば施策は成功といえるのでしょうか?
佐藤さん: 音彦を発売できれば嬉しいのですが、「ヌーハラを解消したい」というコンセプトを世に広められただけでも非常に大きな成果だと考えています。われわれは副産物だと捉えていますが、結果的に集客も増えています。
渡邉さん: 音彦の発表後1週間のECサイトの出荷数は、発表前の2倍になりました。
「音彦は注文しなかったけれど、他の商品を買っている」という層は間違いなく増えています。「話題作り→サイト訪問→申し込み」という一連の仕組みがしっかりと機能した結果だと実感しています。
次の“面白デバイス”は3月末までに出す
――今後は、どのような“面白デバイス”を世に出したいとお考えですか?
佐藤さん: 3月末までに次の商品を発表したいと考えていますが、内容はまだ決まっていません。現在、チームメンバーとアイデア出しを進めています。
音彦がハードルを上げてしまったことは否定できませんが、今後もユニークな商品を発表し、世の中にインパクトを与えたいと考えています。
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