2017年上半期にビジネスパーソンが転職を検討した理由は「他にやりたい仕事がある」が13.1%で最多――人材サービスのパーソルキャリアの調査でこうした結果が出た。この理由は、12年上半期から6年連続で首位となっている。
2位は「会社の将来性が不安」(9.8%)。以下「給与に不満がある」(8.8%)、「残業が多い・休日が少ない」(6.7%)と続いた。
このほか「会社の評価方法に不満がある」も7位にランクイン。パーソルキャリアは「待遇に関する不満を転職理由に挙げる人が増えている」と分析している。
一方、「専門知識・技術を習得したい」「幅広い知識・経験を積みたい」といった前向きな理由で転職を考える人の割合は前回調査時(16年下半期)から低下しており、同社は「幅広い知見を持つゼネラリスト志向の人は減少傾向にある」とみている。
年齢別では、20〜30代で「給与に不満がある」「会社の評価方法に不満がある」の割合が前回調査時から増加していた。同社は「年功序列の給与体系の会社では若手の給与が抑えられるケースがあるため」「結婚・出産などのライフイベントを機に、待遇改善に意識が向く人が多いため」と指摘している。
40代では「ほかにやりたい仕事がある」の割合が上昇。「スペシャリストや管理職として事業の課題解決ができる人を求める企業が増えているため、現職よりも経験やスキルを生かせる仕事に転職する人が増加したため」という。
パーソルキャリアは「17年上半期は最高益を更新した企業のニュースが多くあったが、基本給のベースアップなどの形で給与に反映した企業は限定的だった。こうした状況が待遇に不満を持つ人の増加につながった」としている。
調査は17年4〜9月にかけて、同社が運営する転職サービス「DODA(デューダ)」に登録した転職希望者約4万人を対象に実施した。
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