仕掛け人が語る、ドコモがカーシェア参入のワケ:キーはもう、あなたの手のひらに。(2/3 ページ)
NTTドコモが、11月8日からカーシェアリングサービス「dカーシェア」をスタート。大手キャリアが自社でこうしたサービスを展開するのは初めてだ。ドコモがカーシェアに参入した理由とは――。
決済面で他社と差別化
「dカーシェア」は決済面でもドコモならではの強みを生かし、他社との差別化を図っている。
企業・個人とカーシェアを行う際、ドコモ端末のユーザーは、車両の利用料金と月々の端末使用料を合算する「ドコモ ケータイ払い」を利用できる。決済時は100円につき1ポイントの「dポイント」がたまるほか、ためたポイントを支払いに利用できる。
タイムズ24が運営する「タイムズ カー プラス」など、他社のカーシェアリングサービスは会員に月額料金を課しているケースが多いが、ドコモは月額料金を設けず、サービス利用時のみ課金する仕組みを導入した。
小笠原さんは「月額料金制では、使用頻度が低いユーザーが離れる恐れがある。dカーシェアは20〜30代の若者をターゲットとしているため、必要な時に気軽に使ってもらうことを最優先に考えた料金プランを設けた」と説明する。
dポイント払いに対応した理由も、「クレジットカードを持たない若者にもdカーシェアを使ってもらうため」という。
現ユーザー数は5000人
ドコモならではの工夫を注ぎ込んだ「dカーシェア」だが、11月8日のスタートから1カ月。ユーザー規模はどの程度なのだろうか。
小笠原さんによると、取材を行った11月末現在の会員数は「5000人程度」。「いいペースだと捉えている。現在は会員数を稼ぐフェーズ。この調子で獲得していきたい」という。
伴野さんは「アウトドア関係の企業から、『dカーシェアと連携して観光地などを巡る新サービスを一緒に始めたい』という提案もいただいた。今後検討を進めたい」と明かす。
アプリの使い勝手と車のラインアップが特徴
好調な滑り出しについて、小笠原さんは「アプリの使い勝手の良さにこだわったこと」と説明する。
ユーザーがスマホアプリを立ち上げると、位置情報を基に「あなたの周辺に○○台のクルマがあります」と表示される。「今すぐ乗れる近くのクルマ検索」をタップすると、現在地と周囲の企業・オーナーを示す吹き出しが地図上に現れる。
吹き出しをタップすると、瞬時に決済画面へと移行。自動車のスペックと使用時間に応じて料金をキャッシュレスで支払える。
個人が提供する自動車を選択した場合は、アプリ内のメッセージ機能を活用してスムーズに受け渡し場所や料金の交渉に移れる。
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