「売れ行き2倍」シャンシャン効果に沸く上野の街:パンダ公開に商機
一般公開が始まった、上野動物園のジャイアントパンダの赤ちゃん「シャンシャン」。盛り上がりに期待する上野の街を歩いた。
誕生前から様子が逐一報じられ、少しずつ大きくなっていく姿を見守られてきた、上野動物園のジャイアントパンダの赤ちゃん「シャンシャン」。12月19日に一般公開が始まり、高倍率の抽選に当たった1397人が待ちに待った観覧を果たした。
そのお膝元、上野の街にシャンシャンがもたらす効果も大きい。誕生、命名、そして公開と、成長に合わせて盛り上がりは最高潮に。シャンシャン公開に沸く上野の街を歩いた。
公開で半額セールも
上野動物園から近いアメ横商店街。にぎやかな通りに近づくと、まず目に入ってくるのが、シャンシャン誕生を祝う横断幕だ。店舗をのぞくと、パンダのぬいぐるみなどのディスプレイや、記念商品を置く店がたくさんある。
ある通りを歩いていると、どの店にも「シャンシャン公開記念 半額セール」という同じデザインのポスターが掲げられていることに気付いた。半額対象品は店によって違う。パンダをモチーフにしたオリジナル商品や、店の商品とは無関係なパンダグッズなど、パンダ関連の商品が多い。鮮魚店はパンダとは関係ない魚が半額になっていた。
半額セールについてスポーツ用品店で聞いてみると、公開初日の19日からアメ横の表通り商店街で実施している取り組みだという。
この店では、ぜんまい仕掛けのパンダのおもちゃを半額の500円で販売していた。通常はあまり売れない商品だというが、19日は1日で40個以上も売れた。その他、シャンシャンのイラストが入ったゴルフボールなどのグッズの売れ行きも好調だ。
店の担当者は「昨日はにぎわった」と笑顔で話す。パンダを見た人が多く訪れたのかと思ったが、「見た人というよりも、見られなかった人がよく買ってくれている」という。
日本茶の店「茶の君野園」の店頭は、お茶のパッケージの緑色に混じって、白と黒が目立つ。シャンシャン誕生を祝うポスターやぬいぐるみ、パンダの形の箱に入った茶葉やお菓子が並んでいるからだ。
なかでも人気は、シャンシャンのイラストが入ったせんべいだ。シャンシャン誕生前もパンダのせんべいを販売していたが、シャンシャンの名前が決まってすぐに「シャンシャン仕様」のデザインに変更。従来商品の2倍以上売れるようになった。
店の人によると、ここでも「昨日は(シャンシャンを)見られなかった方が買っていくことが多かった」という。実際にシャンシャンを見ていなくても、上野の街に定着した「お祝いムード」を楽しむ人たちもたくさんいる。盛り上がりに一役買っているようだ。
関連記事
- 上野のパンダ5年ぶり出産で「パンダ株」再び急騰
上野動物園のジャイアントパンダ「シンシン」が出産したとの発表を受け、「パンダ株」として知られる飲食業2社の株価が再び急騰した。 - 上野動物園“正門の光景”が変わる 「桜木亭」と「上野こども遊園地」営業終了のワケ
上野動物園の正門の光景としておなじみだった「桜木亭」と「上野こども遊園地」が相次いで営業を終了した。その背景にあるのは「上野恩賜公園再生基本計画」。東京都の担当者に経緯を聞いた。 - 「HiGH&LOW」を再現 「ハイローランド」を見てきた
よみうりランドと「HiGH&LOW」が6月14日からコラボ企画スタート。オリジナル飲食メニューの提供や、衣装・小道具の展示、スペシャルアトラクションともりだくさん。実際に行ってきた。 - 新商業施設「中目黒高架下」の“新時代感”
11月22日、中目黒駅の高架下に新たな商業施設「中目黒高架下」がグランドオープンしました。このところ盛り上がりを見せている「ナカメ」に誕生したこのショッピングセンターは一体どんな特徴があるのでしょうか? - マツダCX-8 乗ってみて感じたプラスαの価値
マツダの新型SUV「CX-8」の受注が好調。3列シートSUVの狙いと価値とは何か。試乗して体感した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.