「飲食店の人手不足を解決する」配膳ロボット登場:1台で1人分の人件費を削減
ロボットなどが一堂に集結する展示会「ロボデックス」で、飲食店向けの配膳ロボット「BUDDY」が披露された。配膳と同時に注文を受け付けたり、空いたお皿やグラスなどの回収にも利用できるので「人手不足対策に有効」だという。
人手不足が深刻化する飲食業界。その対策としてロボットの活用は今後加速していくのか――。
ロボットメーカーのSOCIAL ROBOTICSとソフトウェア開発を手掛ける協栄産業は、1月17日に開幕したサービス・産業用ロボットが一堂に集結する展示会「ロボデックス」(東京ビッグサイト、19日まで)で、飲食店向けの配膳ロボット「BUDDY」(税別200万円)を披露した。今春から販売を開始する。
顧客が注文した料理やドリンクを指定した場所まで運んでくれる。ドリンクだけであれば8〜9人分を一度に運べるという。
床に専用の金属板を設置することで移動範囲を設定でき、目的地(テーブル)はリモコンで指示できる。衝突防止センサーを搭載しており、人が近づくと停止する他、ロボット同士がぶつからないように自動制御する。
BUDDYにタッチパネルを組み合わせることで、配膳と同時に注文を受け付けたり、記念写真の撮影も可能だ。空いたお皿やグラスなどの回収にも使えるので「人手不足対策に有効」(協栄産業)だとしている。
「BUDDY1台で約1人分の人件費を節約できる。アルバイトは出入りが激しく、採用コストが負担となっているが、ロボットは長く働いてくれるのでその分コストを削減できる」(同)
協栄産業の事業戦略室、鈴木誠室長は「中国では配膳ロボットが年間2万台も売れている。日本はできるだけリスクを取らない文化があり、これまで配膳ロボットが普及していなかったが、人手不足が深刻化しているためチャンスが生まれている」と説明。
「飲食業界の人手不足は待ったなしの状況。既にファミリーレストランからは引き合いがある。まずは、ロボットが動きやすいスペースの広い飲食店に対して販売していき、実績を作っていきたい」(鈴木氏)
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