「職人ロボットを輸出したい」 お茶を煎れる人型ロボットの需要は?:ロボットでお茶作り
THKは茶摘みから焙煎まで行うロボット「SEED-noid-mover」を披露した。「職人がいなくてもおいしいお茶を作れるように研究開発を進める」という。
機械部品メーカーのTHKは、1月17日に開幕したサービス・産業用ロボットが一堂に集結する展示会「ロボデックス」(東京ビッグサイト、19日まで)で、遠隔操作で茶摘みと焙煎ができるロボット「SEED-noid-mover」を披露した。
遠隔操作はHMD(ヘッドマウントディスプレイ)とハンドコントローラーを通じて行う。1ミリ単位で腕や手を動かすことができ「人間と同じような細かな動きを再現できるのが特徴」(THK)だという。
会場では、お茶作りの職人がロボットを遠隔操作し、焙煎工程を実演。左手でフライパンを握り、右手に持ったヘラで茶葉を煎た。
「ロボットとお茶」をテーマにした理由について同社は「和食が世界遺産に登録されるなど、和の文化は世界から注目されている。テクノロジーを通じて、世界に和の文化を発信していきたい。具体的には、ロボットに焙煎技術を学習させ、職人がいなくてもおいしいお茶を作れるように研究開発を進める」と説明する。
お茶は、種類によって最適な焙煎方法が異なる。職人の知識をロボットに学習させる他、遠隔操作を通じて焙煎をする際の「動き」のデータも学習させることで、「最終的には人を介すことなく、お茶を作れる職人ロボットに育てたい」(THK)としている。
当面は遠隔操作で動かすロボットによるお茶の実演販売などでの活用を想定しているという。
「お茶作る職人の数も減少傾向にある。ロボットが職人の代わりになってもらうことで、和の文化を継承していきたい。ロボット職人が実現したら、積極的に海外に輸出していく」(同)
関連記事
- 「飲食店の人手不足を解決する」配膳ロボット登場
ロボットなどが一堂に集結する展示会「ロボデックス」で、飲食店向けの配膳ロボット「BUDDY」が披露された。配膳と同時に注文を受け付けたり、空いたお皿やグラスなどの回収にも利用できるので「人手不足対策に有効」だという。 - 医療・介護施設の巡回をロボットで 人手不足解消狙い
豊橋技術科学大学は医療・介護支援ロボット「Lucia」(ルチア)を披露した。介護施設や病院での夜間巡回や、歩行訓練(リハビリ)を支援する。 - ロボット普及のカギは「まず使って試すこと」
日本空港ビルデングとハウステンボスがサービスロボットの活用事例について語った。 - ロボット推進事業関係者が語る、「介護ロボット」が普及しない理由
近年深刻化する介護業界の人手不足を解決すると大きな注目を集めるのが「介護ロボット」だ。しかし、その期待とは裏腹に介護現場ではロボットの導入が進んでいない実情がある。 - ハウステンボス、「変なホテル」を全国展開 TDR近くに2号棟
ハウステンボスは「変なホテル」を全国展開する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.