プロレスって本気の戦いですか? 失礼な話である:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
2月4日に放送された『ワイドナショー』(フジテレビ)で、社会学者の古市憲寿氏が「プロレスって本気の戦いなんですか?」と発言した。プロレスの多くの試合は事前に用意されたシナリオ通りに進行しているので、リングに上がるレスラーも「本気」ではないのか。いや……。
本気に決まってんじゃないか
これにはハチミツ二郎もかなりカチンときたようで「本気に決まってんじゃないか」。番組を視聴していたプロレスファンの多くもおそらく同じ気持ちを抱いたと思う。
同番組内で古市氏はここ最近、あえてネット上での炎上を狙うかのような発言を繰り返していることが多い。その真意は分からないが、いずれにしてもこの発言によって中邑の快挙が冷水を浴びせられてしまったことは確かだ。
WWEのプロレスはショーアップされたスポーツエンターテイメント。WWEがワールド・レスリング・エンターテイメントの略称であることからも分かるように実際、同団体の最高経営責任者であるビンス・マクマホン会長も同様の趣旨を何度も公の場で口にしている。
日本を含め世界各地でプロレスの試合を組む団体もスタイルの違いこそあれど「真剣勝負(ガチンコ)」の戦いをしているわけではない。その大半の試合が事前から用意されたストーリーラインになるべく則って進行しているのも事実である。そんなことはアナログの時代じゃあるまいし、今の情報に富んだネット社会ならば言わずもがな。ほとんどの人が理解しているはずだ。
だが、それでもプロレスラーは常に命がけで「本気」の戦いを繰り返している。手を抜くことなど絶対に許されない。お客さんを喜ばせるために、魅せる試合をするために、相手の技をあえて受けることも彼らにとっては重要なパフォーマンスだ。
かつてアントニオ猪木氏が現役時代の全盛期に「受けの美学」という言葉を口にしたことがあったが、これは要するに対戦相手の力を存分に引き出させ、見ている側をリングの戦いへ釘付けにさせた上で最後は引っくり返して自分が勝つことを指している。そうしたプロレスならではの「受けの美学」を実践するには、屈強な肉体と強靭(きょうじん)なメンタリティが必要となってくるのは明白。だからプロレスラーは、いつもリングで互いの肉体を激しくぶつけ合い、本気でプロレスというショーアップされた戦いを行っている。
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