プロレスって本気の戦いですか? 失礼な話である:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
2月4日に放送された『ワイドナショー』(フジテレビ)で、社会学者の古市憲寿氏が「プロレスって本気の戦いなんですか?」と発言した。プロレスの多くの試合は事前に用意されたシナリオ通りに進行しているので、リングに上がるレスラーも「本気」ではないのか。いや……。
身もフタもないことを口にするのは失礼
WWEも、そして日本のプロレス団体でも、かつて有名プロレスラーたちが壮絶な試合の末に不慮の事故によってリング上で命を落としている。団体所属の練習生や若手レスラーが道場での激しいトレーニングやスパーリング中に脳挫傷などの重傷で亡くなってしまった悲しい過去も日本マット界の歴史においては、これまで何度かあった。
それだけプロレスとは危険であり「本気」の戦いなのだ。猛練習によって己の体をイジメ抜き、鍛え上げていなければ、相手といい試合は絶対にできない。補足すると、しょっぱい試合しかできないばかりか、パフォーンマンスや自分の売り出し方もヘタクソなレスラーはまず大成しない。
そうなってしまうと世間からはまったく評価されずに人気もパッとしないから、所属団体でも売り出しの恩恵を授かることなくプッシュされないまま前座の冷や飯を食い続けなければいけないハメになる。ましてや世界最大のマーケットを持つWWEや日本の新日本プロレスなど人気団体でメインイベンターになれるのはほんの一握りであり、そこで生き残っていくことも当然厳しい。
中邑は新日本プロレスでIWGPヘビー級王座を3度獲得(23歳9カ月の最年少戴冠記録も保持)するなどトップレスラーになると、2016年2月にWWEへ移籍。NXT(WWEのファーム団体)所属の下積み時代から努力を積み上げ、高い人気を獲得するとWWE上層部からも認められ、今やRRで日本人初制覇を成し遂げるまでの超一流プロレスラーとなった。
そんなWWEのスーパースターに向かって、やれ「本気なんですか」とか、やれ「インチキに決まっているんじゃないのか」とか身もフタもないことを口にするのはやはり失礼極まりない。
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