高級輸入車セールスマンを突き動かす「アウディ愛」:「好き」が信頼に(3/3 ページ)
輸入車のトップセールスマンはどのような営業をしているのだろうか。アウディジャパン販売の平木孝佳さんは、穏やかな笑顔が印象的なセールスマン。その内に秘めているのは、輸入車やアウディが「好き」という強い気持ちだった。
1台でも多く、日本の道を走るように
平木さんの細やかな気遣いは、主な顧客である男性客に対してだけではない。「ご家族で来店されたときは、ご主人とばかり喋るのではなく、特に奥さまに確認をしっかりとします」。運転歴や普段のクルマの使い方、クルマに求めること、理想的なサイズなどを確認し、乗り降りを体験してもらう。さらに、子どもに対するケアも欠かさない。「お子さまに嫌がられて『帰りたい』と言われてしまったらそこで終わりです」。クルマを使う家族全員を巻き込み、ファンにしていく。
「何でも素直に受け入れて、お客さまと信頼関係を築く。トップになっても決して忘れてはいけないと考えています」。その姿勢が、顧客が求める価値を的確につかんだり、細やかな気配りをしたりする行動に表れている。
そして、何よりも平木さんの原動力となっているのが、「アウディが好き」という気持ち。顧客に合わせて臨機応変に提案を変えられるのは、ブランドと商品への深い理解があるからだ。
「アウディに転職するときは不安だったんです。前職のブランドが好きだったので、アウディを好きになれるかどうか……。実は半年ほどかかったのですが、大好きになりました。知れば知るほど魅力が深まっていって、その深みは一言では言い表せません」
愛にあふれる平木さんのこれからの目標は明確だ。「アウディが1台でも多く日本の道を走るように、貢献していきたい。まだまだ伸ばせます。そのために、アウディの魅力を伝え続けていきます」
営業の極意:
- 自分が売る商品を大好きになる
- できる人の行動を取り入れるなど、素直な姿勢で取り組む
- 相手のニーズを的確につかみ、気持ちを高める提案をする
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