大塚食品「マイサイズ」の“ビッグサイズ”な成長:「おいしくて100キロカロリー」に支持(2/2 ページ)
大塚食品の「マイサイズ」が売れている。開発の経緯やこだわり、売り上げが伸びているポイントを担当者に聞いた。
ヘルスケアチャネルで成長
発売からおよそ7年が経ち、健康志向の人はさらに増えている。カロリーだけではなく塩分も気にするようになった消費者の声を取り入れ、17年からは塩分量の分かりやすい記載も始めた。保存料や合成着色料を使用していないことも好評だという。
17年の売り上げは前年比21%増。糖質制限ブームも長いがマイナスの影響はそれほどなく、調剤薬局やドラッグストアなどのヘルスケアチャネルでの売り上げが成長をけん引した。1年間で65%増の大きな伸びを果たしている。
「『なんで薬局でカレーを売っているの?』と疑問に思うお客さまもいるそうなのですが(笑)、特設棚を設けてくれた薬局もあります。伸びているワケを薬局の人に聞いてみたら、50代以上の健康を気にしている方に、マイサイズをオススメしてくれているのだそうです。塩分やカロリーのとりすぎなど、食生活の悩みを持っている方に対して、まだまだマイサイズはお手伝いできることがあるのではないか。ヘルスケアチャネルでの可能性を感じました」
中でも、1食あたり「塩分1グラム」にこだわった「いいね!プラス」シリーズも減塩志向に乗って好調だ。江藤さんは「減塩をする必要があっても『薄味がイヤだ』と続かない方がいる。減塩は継続することが何よりも大事なので、しっかりした味のマイサイズという選択肢があることを知ってもらいたい」と意気込む。薬局やドラッグストアに向けて試食会やセミナーを行い、さらなる認知度の向上を狙う。
日本はすでに、超高齢社会に突入している。65歳以上の高齢者率がますます上がる中で、ヘルスケアチャネルには大きな可能性がありそうだ。
「マイサイズはレトルト食品市場の中で、まだそれほど認知率が高いわけではありません。ただ、年齢を重ねるごとに健康への意識は高まっていきますし、先々のことを考えて食生活を見直す人は増えています。そこに向けてきちんと商品のよさを伝えていきたいですね」
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