清宮の体調はイマイチなのに、日本ハムが一軍にこだわる事情:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
早くも清宮フィーバーが風前の灯だ。オープン戦7試合に出場して、19打数連続無安打。さらにコンディションを崩して、戦線離脱を強いられることに。それでも日本ハムは清宮を開幕スタメンで起用したいようだ。その理由は……。
日本ハムの腕の見せどころ
いずれにせよ、フロント主体で練り上げられた清宮の育成方針が「7番・DH」での開幕スタメン起用というわけだ。そのプランを現場責任者として踏襲する立場の栗山監督が簡単に曲げられない理由はそこにある。だが、現状で大物ルーキーは大きな壁にぶち当たってしまっているのも事実。日本ハムのOBは次のように打ち明ける。
「球団側は実父の克幸さん(ジャパンラグビートップリーグ、ヤマハ発動機ジュビロ監督)とも連絡を取り合いながら一番間近で見てきた人物からヒントをもらうなどして、さまざまな形で清宮を育成するベストの道を模索している。言うまでもなく開幕スタメン起用がかなわない場合の『プランB』、あるいは『プランC』など別の選択肢も用意されているが、やはり球団としてはできることならば清宮に当初の『プランA』の道のりを進ませたい。栗山監督を筆頭とする現場、そしてフロントとしては清宮に無理はさせたくないと思う半面、“何とか奇跡的に開幕一軍スタメンをつかみ取ってほしい”と思っているだろう」
二刀流・大谷がオフにメジャーリーグへ移籍し、次代のスター選手として清宮に白羽の矢が立てられているチーム事情は分かるが、焦りは絶対に禁物だ。悩める18歳を苦境から救い出し、プロの世界でも清宮フィーバーを再び巻き起こしてスター街道を歩ませることができるのか。ここから先は若手育成に定評のある日本ハムの腕の見せどころである。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ、2018年平昌)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
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