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マスコミが「官僚の不正体質」より「内閣」を叩く、その背景:スピン経済の歩き方(4/6 ページ)
2014年に安倍政権が作った「内閣人事局」を巡る報道が、「忖度」によってゆがめられている。官僚を被害者のように触れ回る報道の裏には、高級官僚に対するマスコミの「忖度」がある。なぜマスコミが忖度するのかというと……
記者と官僚の人事異動は似ている
新聞やテレビのマスコミ記者の皆さんは2〜4年くらいの周期で配置換えがある。だから、先月までは森友問題を追いかけていた記者が、今月からいきなり地方支局へみたいなこともある。
マスコミ側は「幅広い経験をして取材者として成長する」とか「1つの分野にいると癒着がある」とかもっともらしい説明をするが、これは世界的に見ても極めて異常なジャーナリスト育成システムだ。
1つの分野で長く取材をすれば、専門知識も蓄積されるし情報源も多くなる。つまり、ジャーナリストとして成熟し、問題の深いところまで切り込めるので、読者や視聴者にとっても有益だ。しかし、実際は数年ごとに専門分野をリセットするため、その分野について詳しくなったころには次の分野へというサイクルを繰り返した者が「一人前」とされ、やがて本社のお偉いさんへとなっていく。
というと、何か似た人たちがいるなと思わないだろうか。そう、「高級官僚」だ。
日本の官僚も2〜4年くらいの周期で配置転換をコロコロと行い、若手のうちは地方を回って、キャリアを積むと中央省庁へ戻り佐川さんのようなお偉いさんになる。
こちらも異動のたび、膨大な引き継ぎ業務が生まれ、仕事のノウハウもリセットされるので非効率なことこの上ないが、マスコミ同様に「特定の部署にいると癒着する」なんてもっともらしい説明で運用されてきた。
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