日本にCIOという職業を確立させる、それが私のミッション――フジテックCIO友岡賢二氏:長谷川秀樹のIT酒場放浪記(1/4 ページ)
「セカエレ」(世界のエレベータ・エスカレータ)を標榜し、日本から世界にビジネスを展開するフジテック 常務執行役員 情報システム部長 友岡賢二氏が語る、これからの日本企業に求められるCIOの役割や情シスの価値とは?
この記事は、「HANDS LAB BLOG(ハンズラボブログ)」の「長谷川秀樹のIT酒場放浪記」より転載、編集しています。
ハンズラボCEOの長谷川秀樹氏が、エンタープライズ系エンジニアが元気に働ける方法を探し、業界のさまざまな人と酒を酌み交わしながら語り合う本対談。
今回のゲストは、「セカエレ」を旗印に、グローバルにビジネスを展開するエレベーター/エスカレーターのメーカー、フジテックの情報システム部長 友岡賢二氏(常務執行役員 情報システム部長)です。お互い共感するところが多いという長谷川氏と、これからの日本企業でCIOや情シスが果たすべき役割について語り合いました。
「よう分からんけど好きにして」と言ってくれる会社でやるのが面白い
長谷川: 僕ね、インタビュー記事か講演かで友岡さんのことを知ったとき、絶対気が合うと思ったんですよ。「次に何を言い出すか完全に分かるわ」という感じ。ITに対する考え方など、やることなすことがすごく似てるなって。一般的には、新しいことをやるときって他社事例があるかを気にするんだけど、そんなもんどうでもいい、良いものならやるしそうでなければやらない、それだけ。そんな感じでどんどん進めていくでしょう。
友岡: 他でやっていないって言われたほうが、むしろワクワクするもんね(笑)。かといって、マイノリティーのままだと死に絶えてしまう。だから、次の大きな潮目の先端、波頭をどうやって見つけるかっていうことに対しては、いつもアンテナを張ってます。そういうところも似てますよね。日清食品CIOの喜多羅さんなんかも同じ感じで、僕らは武闘派CIOと言ってますけど、これが3人だけじゃなくてもっと増やしていきたいですよね。
友岡: 長谷川さんも喜多羅さんも僕も、外から中途採用されているじゃないですか。そういう人って現状否定しないとダメですよね、そのために来ているんだから。
長谷川: 役割ですよね。
友岡: でも、大きい会社になればなるほどそれなりに人材がいて、外からは採らない。そうなると、前任者否定ってできないんですよね。だから、僕は大きな企業だと面白くないんです。「人がいないんで、友岡さん頼むわ。ITはよう分からんけども好きにしてええよ」っていうぐらいなサイズ感の会社が面白いよね。
長谷川: 友岡さんの2000億円理論ですね。
友岡: そうそう。売上2000億円くらいまでの会社がちょうどいい。あと、僕のキャリアで一貫しているのは、事業会社であるということと、日本から世界に出ている会社ということ。外資系は外しているんですよ。
長谷川: さすが、「セカエレ」!
※「セカエレ」とは、「世界のエレベーター/エスカレーター」を略した言葉で、「世界中に安心・安全なエレベーター/エスカレーターを届けたい」というフジテックの思いが込められている
友岡: 外資系に入っちゃうと、よくて担当できる範囲がアジア・パシフィックじゃないですか。それだと面白くないので、日本から世界に挑戦するというのがいいんです。僕、アメリカやヨーロッパに合わせて12年間住んでいたんですけど、海外で暮らしてみると、やっぱり日本っていいな、と思えるんですよ。
それって僕らの親世代が頑張ったからであって、子供の世代にも日本はええな、と思ってもらえるようにするには、やっぱり日本企業で働きたい。外資はダメというわけじゃなくて、人それぞれの役割分担の中で、僕はこういう役割をする、ということですけど。
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