なぜ中日ドラゴンズは松坂大輔を「救世主」として獲得したのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/3 ページ)
松坂大輔投手が中日ドラゴンズに入団し、話題の中心となっている。キャンプやオープン戦の集客は好調だが、それだけではない。ドラゴンズで「怪物復活」を成し遂げれば、松坂は中日にとって「救世主」となる。
「怪物復活」なるか
すでにドラゴンズの球団側には、松坂の一軍定着を想定し、未決定分の今季試合中継のテレビ放映権を巡って、地元のテレビ局から「まだ空きはないか」とオファーや問い合わせが殺到し始めているという。現場や球団側の読み通り、松坂がある程度の活躍でインパクトを残せば、クライアントからのCMオファーも舞い込みそうだ。
球団内やドラゴンズOBたちからは「もう、今の時点でも松坂獲得は十分なお釣りが出ているし『成功』と言える」とささやかれているものの、やはり松坂がこの先の公式戦でも一軍のマウンドで躍動し続けなければ、チームの本格的な人気回復につながる「救世主」とはなりえない。ただし、グラウンドにいるだけで若い投手たちの模範となり、加えて時に助言を送るなど、事実上のコーチ兼任投手としても十二分に役割を果たせるはずとの指摘も出ている。
だが、それでは「怪物復活」のストーリーラインは進まないのだ。仮に松坂が今季公式戦登板において“サプライズ”で白星を積み上げていくとなったら、中日は元スーパースター右腕の再生に成功した球団としても、その名を後世にまで語り継がれる球団となる。その費用対効果を考えれば、億単位とも言われる松坂へのインセンティブ支払いなど、中日にとって痛くもかゆくもないはずだ。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ、2018年平昌)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
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