どう見ても赤字 送料込みで100円の海産物とは?:たちまち完売(1/2 ページ)
浜松にある水産仲卸が海産物を送料込みで100円で届けるサービスを始めた。どう見ても赤字なのだが、どのような狙いがあるのだろうか。
水産仲卸業の海商(静岡県浜松市)はおすすめの海産物を自宅に届ける「市場男子100円目利きセット」の販売を開始した。価格は送料込みで100円(税込、以下同)。
第1弾として、4月2日に同社社員おすすめの辛子めんたいこをオンラインショップで発売した。内容量は30グラムと食べきりサイズになっている。海商の広報担当者は「毎月、さまざまな商品を発売する。辛子めんたいこはすでに完売したが、今後は約100グラムで定価販売する予定だ。海産物は普段の買い物だと敬遠されがちなので、手軽に楽しめる機会を提供したい」と説明する。
送料込みで100円。送料だけでも赤字が想定されるサービスをなぜ始めたのだろうか。
過去にもユニークな商品を続々投入
海商は1979年に創業した浜松市中央市場の水産仲卸だ。マグロをメインに扱っているほか、さまざまな鮮魚をスーパーや商社に販売している。だが、消費者の魚食離れが進んでいることに危機感を持ち、鮮魚を食べてもらう取り組みを強化する必要性を感じていたという。
他社との差別化を図らなければ生き残りは難しいと判断し、新商品の開発・販売に着手した。2017年12月にイセエビを組み立てて楽しめる「対ひとり晩酌用イセエビ」を発売(関連記事:プラモデル風の「伊勢えび」が、注目を浴びたワケ)。プラモデルのようなパッケージと、自宅で気軽にイセエビを食べられる点がSNSで話題となり、12月中に完売した。
同社はその後もさまざまな宅配用商品の開発を進めた。18年2月に食べ比べできる高級マグロ「【至上×私情×市場】最強決定戦セット」(100円)を、18年3月には2人分のまぐろ切り落とし「フラリーマン撲滅セット」(2160円)を発売した。いずれも、遊び心のあるユニークなものばかりだ。
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