進研ゼミ、小学生向け「プログラミング講座」開始 思考力鍛える:さらなる会員増なるか
ベネッセが小学生向け「プログラミング講座」を始める。2020年度に小学校でプログラミング教育が必修化されることを踏まえた施策。始めて学ぶ小学生でも楽しみながら学べるよう、ゲームの要素を取り入れた。
ベネッセコーポレーションは4月20日、小学生向け通信教育「進研ゼミ 小学講座」のカリキュラムにプログラミングを追加すると発表した。2020年度に小学校でプログラミング教育が必修化されるのを前に、必要な知識をインプットすることで児童の学習を助ける狙い。始めて学ぶ小学生でも楽しみながら学べるよう、ゲームなどの要素も取り入れたという。
第1弾として、小学4年生向けのWeb教材「電気迷路エンジニア(5月号)」を今月末に配信する。当初はコーディングではなく、動き・記号を組み合わせて課題を処理する「プログラミング的思考」を中心に教える。
内容は、乾電池の「直列つなぎ」「並列つなぎ」を組み替えながらロボットを操作し、敵と戦いながらダンジョンを進むというもの。パワーは出るが電池の減りが早い「直列」と、パワーは弱いが持久力のある「並列」を組み合わせながら、効率良くゴールするための手順を考えることで思考力を養うという。
第2弾として、小学4〜6年生向けの「プログラミングワールド(7月号)」を6月末に配信予定。指示が書かれたブロックを組み合わせてプログラムを作成する内容で、少ない手順で完成させた場合に高評価するなど、効率性を重視した点が特徴。物事を順序立てて考える力や、プログラミングに必要な「条件分岐」「繰り返し」の概念が学べるという。
いずれの教材も、「進研ゼミ 小学講座」の会員は追加料金ゼロで受講できる。学習用タブレット「チャレンジタッチ」、会員専用Webサイト「チャレンジウェブ」で利用できる。
高品質化で会員数回復
ベネッセでは2014年に大規模な個人情報漏えい事件が発生。「進研ゼミ」などで会員数の減少が続いていたが、教材の高品質化やタブレット導入などのテコ入れにより、17年3月期には5年ぶりに増加に転じた。
18年3月期 第3四半期現在の国内会員数は、前年同期比39万人増の計2092万人。
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