出世するオジサンが、孤独の迷宮に入りやすいワケ:土曜インタビュー劇場(ぼっち公演)(2/5 ページ)
世界的に「孤独」が問題になっている。人の心や体に影響を与えると言われているのに、なぜ日本人は無関心なのか。孤独オジサンにならないために、どうすればいいのかというと……。
コミュニケーションが苦手なオジサンの特徴
土肥: そりゃあ、ほめられたいですよね。「ドイさんの記事はやっぱり面白い」と言われたい。
岡本: ですよね。「ほめられたい」と答えたのは84.1%に対し、「叱ってほしい」は15.9%にとどまりました。次に「直属の上司はほめてくれますか?」と聞いたところ、「ほめるタイプ」と答えたのは42.3%だったのに、「ほめないタイプ」は57.7%でした。
土肥: 8割以上のビジネスパーソンは「ほめられたい、評価されたい」と思っているのに、実際には4割ほどしかいないということですね。
岡本: 米国の調査会社が調べたところ、人は働きを認められ、ほめられると生産性が向上し、会社への定着率が上がるという結果が出ました。ほめたほうが生産性が上がるのにもかかわらず、逆にダメ出しばかりする上司がいますよね。このような感じでコミュニケーションに問題があるオジサンには、8つの特徴があることが分かってきました。(1)ほめない(2)ダメ出しばかり(3)話したがるが、話を聞かない(4)共感できない、共感しようとしない(5)競争したがる(6)内にこもる(7)笑わない(8)おしゃべりができない――。
土肥: うわー、心当たりがあるオジサンも多そう。
岡本: 例えば、出世している、または出世欲が強い人も孤独になりやすいんですよね。
土肥: え、それは違うのでは? 会社でエラくなる人って、コミュニケーションが上手な人が多いような。
岡本: 出世している、または出世欲が強い人は、(5)の競争したがる傾向があるんですよね。プライドが高く、フラットに会話することができなくて、常に「自分のほうが上」と見せたがる。会社の中でうまくコミュニケーションがとれていたとしても、出世するために必死に仕事をする。結果、趣味をつくる時間を犠牲にして、定年が近くになって「あれ、自分は何をすればいいのか」といった状況に陥りやすいんですよね。
職場という村社会の中に囲い込まれて、人生の大半を過ごしてしまう。そうした環境に慣れてしまうと、なかなか新しいコミュニティやネットワークをつくることは難しい。新しく知り合った人とどのような会話をすればいいのか、よく分からないまま定年退職をして「どうしよう」とぼうぜんとするケースが多いんですよね。
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