ノンアルコール飲料、飲食店で「置いて当たり前」の時代に:「まずはビール」はもう古い!?(1/2 ページ)
飲食店のうち8割がノンアルコール飲料を提供しているという調査結果が出た。中には飲み放題メニューに入れるなど提供方法も工夫している店もあるほどで、居酒屋に行った時の「まずはビール」は古くなりつつあるのかもしれない。
スーパーやコンビニの棚にすっかり定着したノンアルコール飲料。売り上げが右肩上がりのビールテイストだけでなく、最近はカクテルやチューハイ風も登場。健康ブームや「若者のアルコール離れ」も後押しし、単なるお酒の代替品でなく飲料の1ジャンルになった感がある。今回、リサーチ会社の調査によると、飲食店でも既にノンアルを「置くのが当たり前」な状況になっていることが分かった。
飲食店の8割で販売
調査したのは、飲食店に特化したリサーチサービス「飲食店リサーチ」を運営するシンクロ・フード(東京都渋谷区)。同社サービスに登録する飲食店の会員261人にネットで調査したところ、約8割が「ノンアルを提供している」と回答した。ここ1年での提供数についても31.2%が「増えた」と回答し、「減った」の1.8%を大幅に上回った。同社は「小売市場では新たなポジションを確立したと言えるが、飲食店においても既に『置いてあるのが当たり前』という状況のようだ」とみる。
取り扱っている飲料の種類はノンアルコールビールが93.6%と圧倒的に多い。普通のビールと同様に飲食店の業態を選ばず、人気も高いことが理由と見られる。
ただ出すだけでなく、提供方法を工夫して他店との差別化を図っているという店もあった。ノンアルの「オリジナルカクテル」を提供しているある店は、「焼酎ベースのカクテルはだいたいノンアルで作ってもおいしい。アルコール飲料と同額レベル(の料金を)取れる場合も多い」と回答。
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