若手起業家・吉田拓己氏が新ビジネス 広告モデルで「運賃無料」のタクシー:19年開始予定、実現なるか
若手起業家・吉田拓己氏が立ち上げたベンチャーnommocが、社名を冠したタクシー事業を始める。車内のディスプレイで広告を表示し、顧客企業から収益を得る仕組みで、運賃は不要。2019年のサービス開始に向け、クラウドファンディングで資金調達を始める。
ベンチャー企業のnommoc(ノモック、福岡市)は5月8日、無料タクシー「nommoc」を発表した。ユーザーがスマホアプリ上で乗車位置を選ぶと車が到着し、目的地まで乗車できるサービスで、利用料は無料。車内のディスプレイ上で商品・店舗の広告を流し、顧客企業から広告収入を得る仕組み。現在は開発段階で、サービス開始は2019年3月を予定する。
nommocは、11年に15歳の若さで起業し“最年少社長”と話題になった起業家・吉田拓己氏が4月に立ち上げたベンチャー。配車に使用する車はnommocが用意する。車内で配信する広告は、業界を絞らず幅広い企業から募集する。
配車と広告表示にはAI(人工知能)を活用する。配車ではユーザーの行動パターンを学習し、需要のある場所に先回りするなど利便性を高める。広告表示ではユーザーの属性に応じた閲覧データを学習し、年齢・性別に応じて最適な情報を出せるよう精度向上を図る。
19年から福岡市の繁華街・天神での試験運用を始める予定で、年間約8万5000人の輸送を目指す。東京五輪が開催される20年をめどに国内主要都市に展開し、年間約42万4000人を輸送する計画だ。その後は国内事業で獲得した知見やノウハウを生かし、アジアや世界の主要都市に拡大する計画もあるという。
実用化に向け、5月8日午後8時からクラウドファンディングサイト「FUNDINNO」で資金調達を始める。目標額は約5000万円。
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