離島に進出するドンキ 客の半分は外国人:売り上げは好調(2/2 ページ)
ドン・キホーテが離島に出店している。16年にとある島に出店したところ業績が好調だったため、別の島への進出も計画しているという。いったいどのような狙いがあるのだろうか。
宮古島に押し寄せる外国人観光客
なぜ、これほど宮古島に外国人観光客が訪れているのだろうか。
宮古島市の入域観光客数をみると、15年度には約52万人だったが、17年度には約98万人まで増えている。宮古島市役所の観光商工局観光課によると、内訳は空路が約62万人(ほぼ国内の観光客)で、海路が約36万人(ほぼ外国人観光客)だ。海路の統計にはクルーズ船の乗務員約12万人が含まれるため、純粋な観光客数は約24万人となる。その24万人のほとんどがクルーズ船で訪れる中国、台湾、香港などの外国人観光客だ。
宮古島の平良港は17年1月に国交省から「国際クルーズ拠点」として選定された。これは、官民が連携して大型船が寄港できる環境整備を行うもので、宮古島市にとっては外国人観光客を獲得する追い風になっている。16年度には89回だったクルーズ船寄港回数は、17年度には147回に増加した。
クルーズ船で宮古島を訪れた外国人観光客は、8〜12時間ほど滞在し、その間に観光や買い物を楽しむ。観光商工局観光課の担当者は「宮古島で外国人観光客が買い物をするスポットとしては、マックスバリュや地元の土産物店があったが、ドンキが来たことで選択肢が広がった」と説明する。
ドン・キホーテは宮古島で地元住民と外国人観光客に支持された。次に出店する石垣島は近年、入域観光客数が年間100万人を突破し、石垣市は外国人観光客の受け入れ強化を進めている。離島に出店するのは地元客だけでなく、外国人観光客の需要に応える狙いがあったのだ。
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