「透明なノンアルビール」サントリーが投入 “昼のオフィス”需要創出へ:“ビールの代わり”だけじゃない(1/2 ページ)
サントリーが「透明なノンアルビールテイスト飲料」をコンビニ限定で6月19日に発売。職場でも気兼ねなく飲用できる「透明」かつ「ペットボトル容器」を採用し、“ビールの代わり”にとどまらない飲用シーンを提供する。
サントリービールは6月19日、透明なノンアルコールビールテイスト飲料「オールフリー オールタイム」を全国のコンビニエンスストア限定で発売する。「大人がいつでも手軽にリフレッシュできるビールテイスト炭酸」をコンセプトに、オフィスで働く20〜40代が日中のオンタイムに飲用するシーンを想定。サントリービールとして初めてペットボトル容器を採用し、これまでの「オールフリー」ブランドとは全く異なる商品に仕上げた。初年度(6〜12月)は、15万ケース(1ケースは大瓶20本換算)の販売を目指す。
“無糖炭酸”としてのニーズ
商品開発を担当したブランド戦略部の大津亮氏は新商品発表会で、自身の体験が企画のきっかけだったと語った。
「当社では夏場、お客さまとの打ち合わせでオールフリーをお渡ししています。すると、商談特有のかたい雰囲気が明るく和やかになるのです。社内にはオールフリー専用自動販売機もあり、業務の合間に飲むとリフレッシュして、もうひと頑張りできます」
そんな体験から、ビールテイストならではの高揚感とリフレッシュ感が特長のオールフリーを、日中にオフィスで飲んでもらえる商品として提供できないかと考えたという。
また、近年市場が拡大している「無糖炭酸」飲料にも目を付けた。オールフリーといえば「ビールの代わり」というイメージが強いが、無糖炭酸としての潜在的ニーズもある、と捉えたのだ。無糖炭酸市場では、ブームの火付け役となったアサヒ飲料の「ウィルキンソン」に追随し、各社が炭酸水の商品を投入している。最近でも、コカ・コーラシステムやサントリー食品インターナショナルが新商品を発売した。
大津氏によると、無糖炭酸市場が成長する背景には、朝から晩まで飲める需要があるという。一方、ノンアルコールビールは夜、ビールの代わりに飲用するのが中心。オールフリーのターゲットを無糖炭酸市場まで広げることで、課題だった「日中のオンタイム需要」を取り込むチャンスを得られると考えた。
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