ポイント、決済、投資――携帯キャリアが磨く「通信以外」の武器:「ブロッキング」にも異なる見解(3/3 ページ)
大手携帯キャリアの2018年3月期決算が出そろった。各社の社長は決算会見でポイント、決済、投資などに注力し、さまざまな分野での収益拡大を図る方針を明らかにした。「漫画村」などの海賊版サイトへのブロッキングについても方針を語った。
海賊版サイトの「ブロッキング」への見解は
政府が4月に「知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議」で、民間のインターネット接続業者(ISP)に「漫画村」「AniTube!」などの海賊版サイトをブロッキングするよう促したことについても、大手キャリアで対応は異なる。
NTTドコモは強気な姿勢
NTTドコモは政府の結論が妥当であるとし、日本電信電話(NTT)などグループ3社とともに海賊版サイトに対するブロッキングの実施を決定した。時期は「準備が整い次第」(吉澤社長)という。
吉澤社長は決算会見で「(海賊版サイトは)コンテンツやインターネットのビジネスの発展を妨げている。見過ごすわけにはいかない」「閉鎖されているからといって、ブロッキングをしないということはない」と強気の姿勢を示した。
吉澤社長は政府に対しても、「通信の秘密と著作権の侵害のせめぎ合いで、さまざまな意見があることは承知している。速やかな立法化を求めたい」とコメントしている。
KDDI・ソフトバンクは慎重な姿勢
KDDIの高橋誠社長は「(海賊版サイトが)価値あるコンテンツでもうけることは悪質だ。違法な閲覧は止めなければならない」と語る。ただし、「(3サイトは)全て閲覧できなくなっているのが現状だ。通信の秘密も含めてさまざまな議論が起きているため。今後は議論の成熟に合わせて対応する」と述べ、具体的な対応策については明言を避けた。
SBGの携帯事業会社・ソフトバンクの宮内謙社長は「ブロックすべきサイトとそうでないサイトが混ざってしまう恐れがある」としたうえで、「現在は検討段階だ。NTTドコモはブロックすると発表していたが、当社では賛否両論だ」とコメント。
「著作権を侵害していることは事実だが、『通信の秘密』に反するとの指摘もあり、線引きが非常に難しい。国としても(ブロッキングを)法案化するどうかで意見が分かれている。今後の展開を見ながら対応していきたい」(宮内社長)と話した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ドコモ、17年度は増収増益 「dポイント会員」強化でさらなる成長へ
NTTドコモの2018年3月期(17年4月〜18年3月)の連結業績は増収増益だった。通信事業、スマートライフ事業がともに好調だった。今期は会員基盤の強化を進め、さらなる成長を目指す。
「通信とライフデザインの融合」目指すKDDI、18年3月期は増収増益
KDDIの2018年3月期の連結決算は増収増益だった。通信事業のほか、電力・金融など「ライフデザイン事業」も好調。今期は高橋誠社長率いる新体制で、3カ年計画の達成を目指す。
ソフトバンクの営業増益に貢献 設立1年「10兆円ファンド」の現在
ソフトバンクグループの2018年3月期の連結決算は営業増益・最終減益だった。営業増益には10兆円規模の投資ファンド「SoftBank Vision Fund」が大きく貢献した。会見で孫正義社長が、同ファンドの現状と今後の展望を説明した。
「+メッセージ」なぜ開発? 3大キャリアが異例の共同会見
大手キャリア3社が、コミュニケーションアプリ「+(プラス)メッセージ」を5月9日にリリースすると発表。メッセージサービスでは「LINE」がユーザーに広く浸透しているいま、なぜキャリアはこうしたサービスを始めるのか。各社が異例の“共同会見”で報道陣の質問に応じた。
