売れない営業マンが知るべき、2つのフレームワーク:営業マンの成長(2/6 ページ)
精一杯がんばっているのに営業成果がなかなか上がらない――。ついついこんな言葉を口にしたことがある人も多いのでは。仕事をしていると、なぜこのような不満が出てくるのか。その理由は……。
なぜBとCが多くて、AとDが少ないのか
営業マンの心理を深堀りする前に、もう少しだけこのマトリクスを考えてみよう。なぜ、BとCが多くて、AとDが少ないのか?
Aは、性能が高く、価格も安い一見理想的なプロダクトである。もし、このプロダクトが存在するとしたら、これは何を意味するのか? もちろん、プロダクトが良いだけで売れるわけではなく、ブランディング、PR、マーケティング、営業が必要であることは言うまでもないが、それでも、他のゾーンに比べれば営業の苦労は大幅に小さいだろう。つまり、性能、価格ともに競合優位性が高いこのプロダクトは、他の変数がなければ、論理的には営業の役割が少なくなることを意味している。
このAを選んだ読者がいたとすれば、大変恵まれた環境で仕事ができていると言っていいと思う。ただ、常識的に考えて数はかなり少ないだろう。
次にDであるが、このプロダクトが市場で存在している場合、価格優位性や性能優位性以外の要因で存在しているということで、既得権や何かしらの参入障壁、あるいは強い営業力などに支えられていると考えられる。そして、これらの要因の中身によって営業マンの存在意義が大きく異なる。
既得権や参入障壁で守られている場合、本当の意味で営業マンが必要とされているかは疑問であり、成長の機会も限定的だと思われる。そして強い営業力という場合は、非常に売りづらいプロダクトを営業努力のみで販売しなければならず、確かに営業マンの存在意義は大きいが、この場合、営業マンは何のプロダクト価値を顧客に説明しているのだろうか?
このようにAとDゾーンは、普通の競争環境とは異なる特殊要因が関係しており、通常の市場では、大半がB、Cゾーンのプロダクトで競争が行われていると考えられる。
ここで、3つのゾーンを、より理解しやすくするため下記のように名付けることとする。
Aゾーン:ラッキーゾーン
B、Cゾーン:健全ゾーン
Dゾーン:特殊・猛烈ゾーン
この後は、多くの営業マンの活躍の舞台であるB、C(健全)ゾーンで、彼らがどういうマインドセットを持ち、どう行動していけばよいかを考えてみよう。
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