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「グーグルには売らない」 日本勢は音声翻訳で覇権を握れるか:東京オリンピックに向け開発競争「激化」(5/5 ページ)
音声翻訳の技術は向上し、2020年の東京オリンピックまでには多くの場所で手軽に使えるようになりそうだ。日本勢がグーグルやマイクロソフトに打ち勝って、音声翻訳の市場で覇権を握れるかどうかが今後のカギとなる。
「マーケティング力」が勝負のカギに
ただし、いくら軽量、超小型の翻訳精度の高い音声翻訳アプリを開発しても、普及しなければ宝の持ち腐れになり、日本だけで普及してもインパクトがない。世界の主要言語を同時に翻訳できるアプリを内蔵したスマホを世界中に広めるには、発想を転換してグーグルかマイクロソフトと手を握るというのも新しいマーケティング戦略になるかもしれない。国内技術だけに頼っていては、かつての日本製の携帯電話がガラパゴス化したのと同じ轍を踏む恐れがある。
世界の音声翻訳市場で日本が覇権を握るためには、欧米、中国など大きな市場でも普及できるマーケティング力がなければ、オールジャパンで開発したオンリーワンの技術も世界市場では陽の目を見ないかもしれない。音声翻訳アプリで世界ブランドを確立するためには、日本で開発した最新技術プラス世界で「売る力」が必要になる。ましてや「ボイストラ」アプリも消費者向けの製品なので、消費者に浸透させるためには一層の努力が必要だ。オールジャパンにこだわるよりも、世界に普及させるためにどうすべきかを優先すべきではないか。
東京五輪に向け、この1〜2年以内に消費者に「ボイストラ」を世界に浸透させる努力を怠れば、結局、「売り方が下手な日本勢」として、グーグルなどの海外企業に淘汰される可能性は否定できない。
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