副業か、副職か、転職か。慎重に考えなければいけない:本当にいい話なのか(1/4 ページ)
自分の可能性を考え、「もっと稼げるはずだ。もっと違う世界があるはずだ」と思う人は、自分を独立したビジネスマンだと思えば普通のこと。どんどんチャレンジしてほしいが、副業は本当にいい話なのだろうか。
著者プロフィール:猪口真(いのぐち・まこと)
株式会社パトス代表取締役。
自分の可能性を考え、「もっと稼げるはずだ。もっと違う世界があるはずだ」と思う人は、自分を独立したビジネスマンだと思えば普通のこと。どんどんチャレンジしてほしいが、副業は本当にいい話なのだろうか。
会社、個人ともにメリット?
副業解禁に踏み切る会社が増えてきた。一見、従業員に対して柔軟な制度に見えるが、企業側にとってもメリットもあるようで、「働き方改革」の名のもと、いくつかの条件つきで、制度採用の企業が増えている。
実際、人材の採用時点で、「副業解禁」の訴求メリットは確かに大きい。誰もが欲しがるスーパー人材を採用するには、背に腹は代えられないのだろう。
採用される身になっても、歓迎される制度だ。能力のある人なら、サラリーマンをやりながらでも、「手伝ってほしい」と言われることも多いだろうし、私でも、(まったくスーパー人材ではなかったが)転職エージェントからオファーがきたときに、「その会社は副業OKか?」と聞いた覚えがある。自分自身を少しでもいいから自由の身においておきたいという気持ちは誰もが持っている。
この副業制度、かっこよくいえば、自分の持つ可能性を考え、現在の仕事以外に活躍の場を求めて、付加価値を出し、多様化した働き方ができるということだ。マクロ経済の観点からも、これまでのプロセス以外のところに付加価値が生まれてパイが大きくなる可能性があり、個人にとっても国にとってもいいことづくめなのだろう。
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