40歳の壁を乗り越えるために、どうすればいいのか 「謙虚」のススメ:常見陽平のサラリーマン研究所(2/3 ページ)
仕事をしていると「マンネリ」を感じることはないだろうか。「昨日も今日も、そしてずーっと同じことをしなければいけないのか」と考えるだけで、嫌になるもの。そうした悩みを抱えている人は、どのようにすれば現状を打破できるのか。
「謙虚」のススメ
40歳の壁として、竹熊氏は「仕事の相手が全員年下になること」「自己模倣のマンネリ地獄」「結婚&子育て問題」を挙げている。「なるほど」とうなずいてしまった。
だんだんと仕事の相手は、年下になっていく。それに対して抵抗があるなら、一気に仕事に対する嫌気がさしてくる。自己模倣のマンネリ化とは、同じような内容の仕事の依頼がきたり、ずっと同じことを繰り返しているような気がしたり、やはりやる気を失ってしまう。こうした要因もあって、40代になると仕事が減るのだ。年齢的に生活の問題がついてくるのも言うまでもない。
いや、ちょっと待てよ。これらはフリーランスだけの問題ではない、サラリーマンも同じではないか。
フリーランスと同じように、サラリーマンも悩んでいるのであればここで「仕事の相手年下問題」と「自己模倣のマンネリ地獄」に対するソリューションを提案したい。それは「謙虚」のススメである。
この問題は筆者の中でも起きている。数年ほど前から担当の編集者が自分より若くなった。背景には、同世代やその上の世代がどんどん偉くなっていくこともある。ちょっとエラソーな言い方をすると、一応それなりにキャリアがあるので、「若手に大きな仕事を任せてみよう」と思っているのかもしれないし、「若手でも対応可能な著者だろう」と思われているのかもしれない。ぶっちゃけて言うと、実力派の編集者は、売れっ子の著者を担当するが、そこそこの著者には若手をつけておけという論理もあるのかもしれない。
竹熊氏は一時、漫画評論(という名の紹介)の仕事が殺到し、逆に嫌になったという話を書いていたが、筆者も一時は他の問題に興味関心がやや移っているのにもかかわらず、就活関連のコメント依頼、執筆依頼が殺到し、嫌気がさしたこともあった。ただ、ここでゴネるのではなく、そういうものだと割り切る必要があるのではないかと思った次第だ。
会社で働いていても、取引先の担当者が年下ということはよくある話だし、年下が上司になることすらある。そういえば、古巣のリクルートやバンダイでも同世代が経営陣になり始めている。昔の諸先輩たちも会社に残っているが、彼らは元部下のもとで働いている。
また、仕事で新しいことをやろうとしても、「この商品の営業はお前に任せた」「この仕事、長年経験のある君にしかできないよ」などと言われ、ずっと同じ仕事から離れられないことがある。本当はプレイヤーをやりたいのに、管理職を任されることもある。自分が思い描いたサラリーマン人生は、なかなか描けないのが現実だ。
そんな悩みを抱えている人にオススメするのが、「謙虚」さである。
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