あなたの味覚、「プロファイリング」します:IT系菓子ベンチャーが新サービス(1/2 ページ)
ユーザー一人一人の味覚を分析して好みの菓子を送るサービスが登場した。食べてもらった菓子の味や食感などを評価させてユーザーの味覚を精密に把握する。
「蓼(たで)食う虫も好き好き」とはよく言ったもの。人の好みは千差万別だ。中でも好き嫌いが細かく分かれそうなジャンルが「味」だろう。服やテレビ番組などで趣味が合う人はいても、食べ物の好き嫌いは家族でもぴったり一致するとは限らない。そして食品メーカーや小売りは、なるべく多くの人の味覚に合うヒット商品を送り出すことに知恵を絞ってきた。
しかし、逆の発想で「まず一人一人の持つ味覚を分析し、好みの食品を提供する」というサービスが登場した。おやつ通販を手掛けるIT発ベンチャー、スナックミー(東京都中央区)が5月22日にスタートした「snaq tasting box」(スナックテイスティングボックス)。いわば「味覚のプロファイリング」を行おうというのだ。
ゾゾスーツの「お菓子版」?
サービスに申し込むと、12種類の菓子が入ったボックスが送られてくる。そこに同封されるのは「Tasting memo」という手引き。菓子一つ一つの風味の説明に加え、「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」のバロメーターが表示されている。ユーザーはこれを見つつおやつを楽しむ。その後がサービスのポイントだ。
ユーザーは、スナックミーのサイト上のマイページから今回食べた菓子を評価する。単に「おいしかった」「まずかった」のレベルではない。「甘味はいかがでしたか」といった純粋な味覚の好みに加えて硬さなどの食感、どんなフレーバーや原材料が好みかなど徹底的に評価させるのだ。
集まったデータは、慶応義塾大学発ベンチャーのAISSY(東京都港区)が分析。ユーザー一人一人の味覚、食感といった詳細な好みを把握し、次回の商品チョイスに反映させる。スナックミーのCEO、服部慎太郎さんは「ZOZOTOWNがZOZOSUIT(ゾゾスーツ)でユーザー一人一人の体格を把握するのに似ている。うちはスーツでなく12種類のお菓子でユーザーの味覚を把握する」と説明する。
同社は元々、ユーザーの好みに合わせた菓子を配送するスナックミーというサービスを手掛けている。ユーザーに食べた菓子を評価させ、そのデータを分析してユーザー好みの商品を送る、という仕組みは新サービスも基本的に同じだ。
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