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あなたの味覚、「プロファイリング」します:IT系菓子ベンチャーが新サービス(2/2 ページ)
ユーザー一人一人の味覚を分析して好みの菓子を送るサービスが登場した。食べてもらった菓子の味や食感などを評価させてユーザーの味覚を精密に把握する。
多様性が高い食べ物の好み
ただし、スナックミーは食べた菓子に対してユーザーがマイページで4段階評価するレベルにとどまっていた。データが蓄積されれば、ユーザー個人がどんな菓子を好みそうかという傾向は分かる。だが、「具体的にどんな味覚の持ち主か」というレベルまでは把握しづらかった。新サービスを通じて服部さんは「ユーザーの味の好みを“パーソナライズ”したい」と話す。
消費者の好みを先回りして把握し、商品を提案するサービスは特にECサイトで主流になりつつある。Amazonなどが代表的で、各社がしのぎを削ってシステムを洗練させている。ただ、服部さんは「味覚は個人個人で非常に多様。嫌いな食べ物が共通していても、好きな食べ物が一緒かは関係ない。特定の食べ物だけなぜか嫌いな人もいる」と見る。購買データや単純な商品評価に基づいた、単なる「あなたはこんな商品が好きかも」といったサービスは食品では機能しづらいと判断。ユーザー個人の味覚そのものを、試食を通して精密に把握しようと考えたのだという。
大ヒット商品不在の時代。あらゆる年齢層、属性の消費者が飛びつく商品はなかなか生まれない。ゾゾスーツに代表されるように、消費者一人一人に合わせた商品戦略をメーカーや小売りは進めている。しかし、個人店の手作り品を除けば食品業界はどうしても大量生産・販売の傾向が強いまま。その中で、個人の味覚の把握にまで踏み込んだこのサービスが消費者に受け入れられるか、注目される。
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