ファミマ、店舗を「ドンキ化」 「圧縮陳列」はコンビニでも?:あのペンギンは登場する?
ドンキの品ぞろえや売り場づくりなどを反映させた実験店舗をファミマが6月1日にオープンする。ユニー・ファミリーマートホールディングスは、ユニーの店舗を「ドンキ化」させて成果を出したことはあるが、「ドンキ化」したコンビニは成功するだろうか。
「ドン・キホーテ」などを運営するドンキホーテホールディングス(HD)は5月28日、ファミリーマートとコンビニの店舗を通じた共同実験を開始すると発表した。今回の実験を行う背景には、同業他社やドラッグストアなどとの競争が激しくなるなかで、ドン・キホーテの店舗運営ノウハウを生かした競争力向上を狙う目的がある。
6月1日に、ドン・キホーテが強みとする品ぞろえや売場づくりを取り入れた共同実験店舗である「ファミリーマート立川南通り店」(東京都立川市)と「ファミリーマート大鳥神社前店」(東京都目黒区)をリニューアルオープンする。さらに、6月29日にも同様の実験店舗を都内でオープンする予定だという。店舗の看板には「Produced by ドン・キホーテ」と記載することで、ドン・キホーテが関与している店舗だということをアピールする。
ドンキのノウハウを注入
実験店舗では、ドン・キホーテが推奨する日用品や加工食品など約2800種類を、ファミマが値付けして発売する。店舗全体の取り扱い商品数は立川の店舗で約5000種類であり、ファミマの一般的な店舗の取り扱い商品数の約1.7倍となる。ドン・キホーテといえば、天井に届きそうなくらいに商品を積み上げた「圧縮陳列」が有名だが、実験店舗では「スペースの都合で実施しないが、棚を通常より高くすることで商品のボリューム感を出す」(ドンキホーテHD広報)という。
ドン・キホーテのキャラクターである「ドンペン」と「ドンコ」は実験店舗に登場しないが、個性的なポップは一部持ち込むという。
今回の共同店舗は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)と2017年に締結した資本・業務提携に基づくものである。ドンキホーテHDはすでにユニーとの新業態店を6店オープンさせており、いずれも売り上げや客数を旧店舗から増やすという実績を出している。(関連記事:スーパーをドンキにしたら売り上げが2.5倍になった理由 )。
コンビニの「ドンキ化」がどれほど成果を出せるかが注目される。
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